マスに依存しない一気通貫型デジタルマーケティングが必要
AISASモデルにおいて主なデジタル領域といわれているのはSearch(検索)、Action(購買)、Share(共有)の3つです。それ以前のAttention(注意喚起)、Interest(興味)はマスマーケティングが担っており、テレビCMの受皿としてWEBサイトを活用している企業も少なくありません。
しかし、このような役割分担はマスマーケティングに依存してしまうという危険性もはらんでいます。マスマーケティングを否定するわけではありませんが、費用的にはとても大きな額です。業績が伸びているときは良いかもしれませんが、伸び悩んでいるときに予算の確保ができず、打ち手を欠いてしまうという事態も想定されます。
このような危険性を回避するためにも、マスマーケティングに依存することのない、一気通貫型のデジタルマーケティングが必要です。
生活者の「関心事」からコミュニケーションをはじめる
そこで大事なのが一気通貫型という点です。Attention、Interestというプロセスだけ切り取ると、テレビCMのかわりにWEB広告でリーチを広げれば良いと考えがちですが、そうではありません。
Attention段階の生活者は商品への興味喚起に至っておらず、普段の生活のなかで気になることをなんとなく検索する程度です。このような段階の人に商品を買ってくれとひたすらプッシュしても押し売りのように思われて煙たがられてしまうだけです。
Attention段階の生活者に必要なのはその人の関心事や悩みにまで踏み込んでコミュニケーションし、商品は関心事の延長にあるもの、もしくは悩みの解決手段として提示することが重要だと考えています。それ以降のSearch、Action、Shareのプロセスにおいても一貫したコミュニケーションが求められます。
「祝い事」は生活者の記憶に残る重要な機会
一気通貫型デジタルマーケティングを行うには、生活者と商品の間を取り持つ”関心事”を何に定めるかが重要なポイントといえます。
選ぶ基準は3つあります。
- 商品に繋がる情報であること
- 人生のなかで何度も接点がもてること
- 記憶に残るものであること
1 は商品の興味つなげるため、2.3は顧客維持率を高めライフタイムバリューを最大化するために必要です。
例えば「祝い事」がそれにあたります。卒業、就職、結婚、出産祝いから、「テストで満点を取った」「初めて受注した」「部活の試合に勝った」など日々のちょっとしたお祝いまで生活者にとって特別な瞬間に商品の接点を持つことができれば思い出とともに記憶に残ります。
大切な相手へのプレゼント選びやがんばった自分へのご褒美の瞬間に、企業のサポートを受けられたり、お祝いの品が届くことで商品への愛着も高まることでしょう。