【開催報告】月刊:よげんの書2021年12月号(前編)――若者に恥ずかしくない「継承」をしよう

ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。

今回は12/17に行われた「月刊:よげんの書12月号」の前半で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。

目次

各国・各地域で若者の争奪戦がはじまる

若者世代が希少になり、稼ぐ若い移民を求める国が増える

日本では少子化や人口減少が続いているが、全世界でも同じ傾向がある。20世紀に世界人口を4倍にした人口爆発は近く終わり、少子化が世界で加速。今世紀半ば以降にも人口は減り始めるとみられる。2050年までの人口の増減をシュミレーションしたチャートではイギリス、フランスやカナダが人口増加が予想されている。しかし、それも移民に頼った人口増加であり、移民がいなければ人口は減少するとされている。人口に占める若者世代(15歳~29歳)の割合を予想したチャートでは、北米、欧州、アジア、中南米では若者の構成比の減少が進んでいる。今まで若者の構成比が高かったアフリカも2040年頃から若者が減り始めるとされている。稼ぎ、消費する若い人は経済を回す存在であり、とても貴重。そんな若者も含まれる移民を呼び込みたい国が増えるだろう。

若い働き手が増える地域は所得も向上する

日本経済新聞に掲載されていた、2013年と2018年を比較した新規就労者数の増減率と県民所得の増加率を分析すると、就労者数が増えるほど、1人当たりの県民所得も増える傾向にあった。沖縄、長崎、群馬などが突出していた。若い人がしっかり稼いで、消費もするという良いサイクルが生まれているのではないか。日本でも、積極的な就労支援で地域内の若年層を増やそうとする動きが活発になっている。

住民の流動性が高まると、国を越える人、県を越える人が増える。そうすると、住んでもらう場所として選んでもらうためには、魅力的な所をどんどん発信して、表に出さないと呼び込めなくなる。

女性が教育を受ける比率が高まると、少子化が始まると言われている。教育を受けられる人が世界で増えるのならば、「若者の争奪戦」も激しくなるだろう。現時点で日本は移民に対して消極的だが、20年位前から受け入れるべきだと提唱している海外の経済学者もいる。多くの人が来てくれる、魅力ある日本であることが望まれているのでは

社会貢献度で会社を選ぶ若者が増える

社会貢献度が高いことが就職決定理由で4年連続1位

株式会社ディスコが就職活動者に行ったアンケートで、「企業の社会貢献度が高いこと」が就職決定理由で4年連続1位だった。しかも、重視していると回答する人は年々増えており、志が高い人が多いことが伺える。定性回答からもSDGsに沿った取り組みを重視している学生が多かった。社会に貢献する仕事をしているかどうかは就職先や取引相手として選ぶ際の条件として重みを増しているのだろう。

企業は社会や生活の課題を解決するために創業された

若者や社会に存在意義を示すために、創業の目的や社会への貢献を明文化しようとしている企業が増えている。そのためのパーパス経営が注目されている。様々なパーパスがあるが、企業は元々社会課題、生活課題解決のために設立されていることが多い。企業自身が存在意義を見つめなおすことも大事なことであるし、明文化することによって賛同する学生が会社選びの際にポイントとして注目していけば、繋がっていくことにもなる。

Z世代は社会貢献に対して意識がとても高い。未来のことは自分たちに関わることなので、しっかりと自分事化できている。パーパス経営は創業の時は大義をもって始めている。だが、時代に合わせて大儀を再定義しなければいけない。「たくさん成長していきたい」も一昔前は設定しても良かったが、今では過度な成長を求めるのは推薦されていない。経営者は時代も合わせて咀嚼することで、大儀を社員や社会にアピールしないといけない。

データサイエンスが大学の必修科目になる

データサイエンス、全国有力大学の7割が必修予定

政府は2019年6月策定の「AI戦略」で、2025年までに全ての大学・高専生がデータサイエンスの初級レベルを習得する目標を掲げた。初級は実社会で目にするデータを適切に読み解き、使い方を判断できる水準を想定している。筑波大学では2019年度から、講義と演習を2コマ連続で学ぶ「データサイエンス」を必修にした。全国の有力大学の7割が必修化の意向を示している。

名刺の肩書で見える 2年間の変化。D2C・SDGs・DX 付く肩書が4倍以上増

「データサイエンス」を学ぶことは必要なのか、という問いかけに対し、日本経済新聞で分かりやすい集計結果があった。約280万人が使う名刺アプリ「エイト」のユーザーを対象にし、部署名に含まれているキーワードを集計、2018年を1として20年の変化率を算出したところ、D2C・SDGs・DX が付く肩書が4倍以上増していた。D2C・SDGs・DXの順で多くなっており、D2Cは5倍にもなっていた。名刺は時代に合わせて変革しようとする企業の姿勢の一端を映し出している。D2C、DXと言ったデジタル領域と、SDGsなどの新しい領域の仕事を担える人材が求められている。そういう学生を求める部署も増えているということだ。

AIが発展することによって仕事を奪われるという人もいるが、一方で新しく生まれた仕事もある。

データを見るために数学が必須となる。文系理系で分かれている大学や学部もあるが、そうすると文系に進んだ学生は数学を使った学びが少なくなってしまっている。数学に弱くなってしまう。今では文系理系で分ける大学も減ってきているというし、学生も文系理系の意識を捨てた方がいいかもしれない。データサイエンスの他に、一般教養としての統計学やプログラミングなどは全員がさわりを知っておいた方がいい。

道の駅が生活者と商品の新たな出会いの場所となる

道の駅は地域再生を担う拠点に進化。施設数は20年間で2倍近くに

道の駅は2021年6月時点で全国に1193施設あり、2001年度から約550施設増えた。20年間で2倍に増えた計算になる。少し前の集計になるが、国土交通省の2015年度の調査によると、全国の施設に年間延べ2億人が訪れ、売り上げの合計は約2500億円に達する。これはトップスリーのコンビニに次ぐ売上額の規模になり、購買につながる場所としても注目を集めている。集客力が高まる道の駅には大手企業の注目も集まっている。積水ハウスは全国14カ所に相次いで道の駅隣接のホテルを開業した。

道の駅から、未知の体験と新しい出会いが生まれている

周辺環境と広大な土地を活用し、宿泊施設を併設し回遊を促す。大手企業と組んでイベントを開催し、商品やサービスの体験を促す施策に人が集まっている。

  • 積水ハウス×マリオットホテル ー全国14か所の道の駅の近くに宿泊施設を建設。道の駅に訪れるだけではなく、一泊してもらうことで周辺の回遊を促す取り組み。
  • 道の駅 むなかた(福岡県) ー広大な土地を活かし、人が集まることができるイベントを開催している。大手企業と組んで様々なイベントを行っている。「キャンピングカー」などを体験するイベントなども過去行っていた。場所を提供することで、企業の商品やサービスを体験できる場を作っている。

コロナ禍の影響により、日常の買い物は時短で、という傾向がある。だが、道の駅はいつもと違う環境になる。道の駅はゆっくりと商品やサービスと出会い、新しい経験を生活者に促す良いベースになるのではないかと思っている。

ショッピングモールは商圏がないとできないという経済論理で動いているので、人口過疎の所にはできない。道の駅は違う理由で作られており、車移動が中心のエリアが多い。土地の物産を中心に扱っており、今までとは違う発展の仕方をしている。

情報発信が上手な道の駅も多いので、訪れる人もどんなイベントを開催しているか調べてから向かう人も多い。注目したい場所である。

超速配達で食品を揃える人が増える

注文から15分で配達。米国で「超速配達」が広がる

生活者として少しずつ商品を買うようになるかもしれない、というよげんです。小売り大手の即日宅配は最短でも1~2時間が限度だが、スタートアップ企業が提案するのは必要なときに必要な物だけを買う新たな消費形態だ。規模や展開地域の広さでは大手に優位があるが、15分を切るサービスを掲げるスタートアップの参戦は業界のゲームチェンジャーになる可能性を秘める。たくさんお得にではなく、必要なものだけを買ってもらうという消費形態だ。

Buyk (バイク)。配達料無料、最低購入金額なし

今夏、米ニューヨーク市でサービスを開始。ペットボトルの水一本でも、注文してから15分以内に食品を依頼の場所に届ける。迅速な宅配を支えるのが、ミニ倉庫のような店舗「ダークストア」だ。現在、「ダークストア」はニューヨーク市内に20カ所あるだけだが、今後全米で約100カ所に増やす計画だ。BuykのCEOは「卵や牛乳などを必要なときにすぐ購入でき、まとめ買いの必要がなくなる」と話す。

ロボマート。10分で走る無人店舗が到着

スマートフォンのアプリをタップすると、無人の自動運転で商品をたくさん積んだミニバンがやってくる。到着後、再びアプリをタップすればドアが自動で開くので好きな商品を手に取るだけで買い物が済む。商品のタグと車内のセンサーで商品を識別し、料金は事前に登録した利用者のクレジットカードに請求される仕組み。無人店舗ごと配達するようなイメージ。手数料は一律2ドルで、最低注文金額の設定はない。選んでから買うではなく、来てから必要なものだけ選ぶというスタイルになる。「一度は試してみたい」と経験価値にも訴えるサービスになるかもしれない。

コンビニが若者に人気な理由として、外部にある冷蔵庫のようだからだと解釈する人がいた。まさにそのような感じ。自転車で15分もあれば行けるスーパーがあるけれども、横着したいという気持に沿うサービスなのかもしれない。

2021年12月の提言:若者に恥ずかしくない「継承」をしよう

世界では環境や未来の地球・世代に無頓着な大人に憤慨する若者が多くいます。我々よりも未来を考え学んでいる若者に対して恥ずかしくない行動して未来につながる良い継承をしよう。

次回の「よげんの書」は1月21日(金)の開催です。ぜひお申し込みください

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この記事を書いた人

ドゥ・ハウス 広報部 マネジャ
聞く技術研究所 所員。

新橋で働く30代OL。DINKS。夫婦で在宅することが増えたので、いかに家を快適にするかを考え中。

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