【開催報告】月刊:よげんの書2021年5月号(後編)―― パワーを持とう

ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。

今回は5/18に行われた「月刊:よげんの書5月号」の後半で発表された内容をご紹介いたします。
※よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されています。開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載いたします※

目次

副業で農業をする人が増える

広がる副業農業

副業農業が増加している背景として、リモートワークする人が郊外に住み始めたことが一つの要因。通勤時間がなくなった分、農業などに使うことができるようになり、周りに農家がある環境になる。それで農業を体験できるようになった。
仕事が減った人が副業として農業法人にアルバイトするケースもある。
働き方の一例として、朝から昼まで農業し、昼過ぎから19時まで本業をリモートワークで行う人がいる。テレワークが普及するとこんな働き方が可能になる。

マイナビでは農業に携わりたい人を募集している

農業で働きたいと希望し、登録した人は2021年1月末の時点で1万2759人。前の年の同じ時期に比べておよそ10倍にのぼり、急増。農業を副業、アルバイトでやりたい人がこれだけいるということ。
登録した人を年代別でみると、20代が25%、30代が28%、40代が23%、50代が18%、60代が2%。20代から30代を合わせると5割になる。登録者の中には副業としての農業を希望する人も多く、東京や大阪などの都市部に住む人の登録も目立つとのこと。農業で働くこと、就農が見直されている。

今年のアカデミー賞にノミネートされた「ミナリ」もアメリカで農業をはじめる韓国ファミリーの話だった。

プラントベースフードがこれから増えることを考えると、農業は重要。

コロナ禍で起こった食品価格の高騰は人手不足が原因になっているらしい。外国人労働に頼れなくなり、農業従事者が減っている。

副業で農業をやってみて、良いと思ったら、本業になってもいい。農業で食べていけるのかどうかが、経験をすることでクリアになる。

コロナ禍で街が住みやすくなる?

コロナ禍で街が住みやすくなる?

東京都内、駅前の放置自転車が減った

東京都内の駅前に放置された自転車や原付きバイク、自動二輪車の台数が2020年度は2万1035台と過去最少になった。テレワークの普及で、通勤客が減ったのが要因か?朝早くから、夜遅くまで放置されていた自転車が少なくなった反面、商店街や大型量販店付近では増えているらしい。買い物に使っているのだろう。

刑法犯の件数も減った

警察庁によると、2020年の刑法犯の認知件数は61万4231件で、戦後最多だった2002年(約285万件)の5分の1になった。近年は防犯カメラの普及や防犯対策の強化で減少傾向にあったが、2020年は前年比で17.9%の大幅減だった。
大きく減っているのは窃盗犯。自宅にこもる人が増加したので、空き巣が入れなくなった。また、外に出ている人が減ったので、ひったくりが減る。反面、サイバー犯罪と大麻は増えた。

サイバー犯罪が増えているというのは、人が集まるところ(=インターネット)で犯罪が起こるということ。サイバー犯罪によりアメリカの石油パイプラインが止められてしまうこともあった。人が集まるところにお金も動く。

ランサムウェアをサブスクで販売する業者まで現れている。犯罪で使用されるようなコンピュータウイルスの開発と販売が分離したということだ。作ることが出来なくても、サイバー犯罪に手を出すことができるようになる。

定年女子の2ndステージへの模索が始まる

定年女子の2ndステージへの模索が始まる

男性の問題だった定年が女性にも身近になりつつある

1986年に男女雇用機会均等法が施行されて35年になる。つまり、90年ごろまでに就職した均等法第1世代の女性は定年期を迎えている。総務省の労働力調査では、55~59歳の正規雇用で働く女性は約100万人。男性の問題だった定年が女性にも身近になりつつある。今まであまり語られることがなく、取り上げられることが少なった女性の定年問題が増えていくだろう。男女ともに老後をより考える必要がある。

定年女子に対する調査

電通が「定年女子に対する調査」を行ったところ、「女性活躍社会に賛成である」79.5%、「女性の管理職がもっと増えるべきだ」67%に対し、「管理職になりたい/なりたかった」は18.1%だった。
男女の給与差は管理職になっているかどうかで開きがでる。女性の給与を上げるためには、管理職になりたいという女性のモチベーションを上げる形にしないといけない。ロールモデルとなる先輩が極めて少ない中、第1世代はセカンドキャリアをどう描くのだろうか。

「定年後も働くことが決まっている」女性は18.1%、「決まってはいないが、働きたいと思っている」女性は49.3%だった。その理由のトップ3は経済的なもの。男女ともに、老後どう過ごすのかが気になっている。生涯現役、老後2000万問題もあるが、お金がかかることは分かっている。
海外は定年をなくす国が多いらしい。日本固有になっていくかもしれないが、女性の定年問題は今後注目したい。生き方をサポートし、生涯現役担っていくためにマーケットが出てくるのかもしれない。

オスカーを取った「ノマドランド」は60代の女性が家を売ってキャンピングカーで移動生活をする、ノマドという生き方を選んだ話。選択と幸せの形は様々であることがその映画では描かれている。

老後の生き方の多様性はこれから出てきそう。

日本の低迷の要因は、性格の問題だったことがわかる

日本の低迷の要因は、性格の問題だったことがわかる

経済低迷は日本人の意地悪さか原因か

News Weekに、大阪大学などの研究で「十分な内需があるはずの日本が他の先進国のように成長できない大きな要因は日本人のメンタルにあった」と記事があった。
大阪大学社会経済研究所を中心とした研究グループが被験者に集団で公共財を作るゲームをしてもらったところ、日本人はアメリカ人や中国人と比較して他人の足を引っ張る行動が多かった。同大学の別の研究グループによると「新型コロナウイスルに感染するのは自業自得だ」と考える日本人の比率は11.5%と、中国の4.83%やアメリカの1%などと比べて突出して高かった。
日本では何か新しい技術やビジネスが誕生するたびに声高な批判が寄せられ、スムーズに事業を展開できないことが多い。その間に他国が一気にノウハウを蓄積し、結局は他国にお金を払ってその技術やサービスを利用する傾向がある。
日本は技術で勝って、普及で負ける。商売で負けると言われるので、確かにその通りかもしれない。

日本人は「スパイト行動」が顕著だった

大阪大学社会経済研究所の実験(ゲーム)では、プレイヤー同士がとる行動によって自分の損得が決まるというルールで、心理的な駆け引きが見えてくるようになっている。この実験によれば日本人は他人が利益を得ようとして自分を出し抜く、いわゆる「フリーライダー」を許さない傾向があり、「スパイト行動」=「自分が損してでも他人をおとしめたいという嫌がらせ行動」が顕著であったという。
抜け駆けした人や、得している人、上手くいっている人を許さない。それ対して、犠牲を払ってでも貶めたい人が多い。これは、意識的に変えていく必要がある。直感的にスパイト行動をやってしまうが、よく考えて、理性的、合理的に考えるようになっていかなくてはならない。

マーケティングの結果を見る時セグメンテーションの軸として「パルス」という調査方法があり、広くアンケートを取ると日本人は伝統尊重派が多く出現する。彼らは伝統文化を守って、継承する意識が高い人が多い。

日本は他国に比べて、ディスラプション(創造的破壊)が脅威だと思う日本企業が多いという調査などもあったが、それも繋がってくる気がする。

現状維持バイアスがかかるのかも。今ある状況から離れたくない気持ちがあっても世の中変化しているから、その変化に対応しなくてはならない。

服を捨てられない日がやってくる

服を捨てると、捕まる日が来る?!

フランスは循環型経済に移行しようとしている。その一歩として、売れ残り商品の廃棄を禁止する「廃棄物と循環型経済への戦いに関する法案(Projet de loi relatif à la lutte contre le gaspillage et à l’économie circulaire)」が施行された。
製造業者、輸入業者、代理店、「Amazon(アマゾン)」を含むeコマースサイトに対し、売れ残りの洋服や非飲食品の廃棄を禁止し、チャリティーなどへの寄付が要求される。この法令に違反した場合、15,000ユーロ(約178万円)という多額な罰金が課せられる。
このような法令は、最初企業を対象として、いずれ個人に当てはめられることが多い。将来、個人も洋服を捨ててはならないような時代がくるかもしれない。

ファッション業界は第2位の環境汚染産業

ファッションは環境負荷が多いと言われている。一位は石油で、それにつぐ環境汚染をしているという。水を多量に使い、なおかつ全世界の排水の18%がファッション関連だそう。そこでは汚染もあり、温室効果ガスも排出される。さらに、毎秒ごみ収集車一台分の繊維が廃棄されている。
フランスの高級ブランドはファッション協定などで「自分たちから自己犠牲していこう」と取り組み始めている。

日本ではどうか

環境省のホームページでは、手放す洋服よりも購入枚数の方が多く、一年間一回も着られていない服が一人あたり25着もあると記載がある。そして、7割の服がゴミになるという。そのうち、5%しか再資源化されていない。
ファッションは環境に悪いことが浸透してきて、生活者の意識も変わってきた。ファッション雑誌でも「サスティナママ」などが取り上げられている。

以前、「食」についても取り上げたが、今度は「衣」。次に来るのは「住」。生活していく中で、環境に問題を起こしていることが多くある。消費する側の意識が変わると、消費も相当変わりそう。

化繊を使っていない皮、コットン、ウールなどの天然素材のものは、着た後にちゃんと手入れをすれば味が出てくる。一方で、みずぼらしく見えるという人もいるかもしれない。意識の変化があり、それが「こなれた服」と思われたり、「くたびれた服はかっこいい」となればいい。

使い捨てはやめよう、という話。長く、大事に使おうという意識の変化が必要。

パタゴニアやユニクロは古い衣類を回収して、リセールしている。それで客を増やしているというマーケティングモデルもあり、成功事例もある。

2021年5月の提言:パワーを持とう

コロナ禍の中で様々な問題点が明るみに出てその要因となる構造もわかってきた。これまで長年変わらなかったことを変えるためには、その要因となる構造を変えるパワーが求められる。コロナの終息予測は2022年の3月。「パワーかけて構造を変えていく」という視点でパワーを出していこう。

次回の「月間よげんの書」は6月18日(金)の開催となります。ぜひお申し込みください

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この記事を書いた人

ドゥ・ハウス 広報部 マネジャ
聞く技術研究所 所員。

新橋で働く30代OL。DINKS。夫婦で在宅することが増えたので、いかに家を快適にするかを考え中。

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