月刊:よげんの書アーカイブ~【2020年12月号】後編 ―― 今年一年を総括しよう

よげんの書は、生活の変化や経済・環境の変化など、社会課題を背景に少し先の生活を考えるマーケティングコンテンツです。企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のナラティブをみなさんと共有するために定期的にセミナーを開催し、毎月10のよげんを発表しています。

本ブログでは、2020年12月に発表した10のよげんの中の5つをセミナーでお話した内容のサマリとともにお届けします。

目次

2020年12月号のよげん:後編

民主主義者がマイノリティになる

201206.民主主義者がマイノリティになる

民主国家と非民主主義国家の人口を比較すると、ここ数年で、1999年以来、非民主国家の人口が民主国家を上回る状況となりました。表面化してきた米中対立を冷戦時代の米ソ対立の時の状態と比較すると、米ソ対立が資本主義と共産主義の対立軸であったものが、今は民主主義と一党独裁の対立軸と変わってきています。その状態を示す一つの例として、EUではCOVID-19の復興基金の分配を決める際に、「法によって支配されている国」であることを分配の条件としました。これは、ヨーロッパの国家の中にも、資本主義における法律を規律とせず、一党独裁の権力者によって様々な決定がされてしまっている国が再び現れていることを示す事象となりました。

中小企業の再編(淘汰)が進む

201207.中小企業の再編(淘汰)が進む

菅総理は官房長官時代から中小再編を促しています。その背景には、日本の中小企業の生産性が低いことを挙げています。このことは、菅内閣の成長戦略会議のメンバーとなったデービッド・アトキンソンの本「日本企業の勝算」の中で語られていたことです。その本では「中小企業は日本と宝だというのは大いなる幻想だ」という問題提起をしています。米国では上場企業であっても、生産性の低い企業は淘汰・再編され、上場企業数は年々減少をしています。一方で、日本企業は上場企業は増え続け、中小企業も守られてきました。人口減少の中、生産性を高める必要がある環境の中で、中小企業の再編・淘汰は菅政権の戦略の大きな命題となっていきます。

コンビニの2020年代問題が顕在化する

201208.コンビニの2020年代問題が顕在化する

コンビニは出店数を増やすことで成長を続けてきました。ただし、2010年代後半からは出店数も売上も踊り場を迎え、頭打ちしています。その中で、2020年代には成長期に出店を果たした少なくとも30%の店舗が契約更新期を迎えます。オーナーの高齢化が進み、事業継承が大きな課題となっていたり、経営環境も改善されなければ、オーナーの疲労や不満がさらに高まり、店をたたむオーナーが増える可能性が高いというのがコンビニの2020年代問題です。コンビニは近隣住民の生活インフラとなっている側面も多く、この問題が顕在化することで、生活者の利便性を損ねることにもなりかねない懸念が生まれます。

コロナがジェンダーギャップを加速する

201209.コロナがジェンダーギャップを加速する

COVID-19によって、雇用に大きな影響を受けた(解雇・雇い止め・労働時間の短縮など)人の割合は、男性が18%に対して、女性は26%に及びます。これを業種別に見てみると、「飲食・宿泊業(58%)」「生活・娯楽・サービス業(38%)」が多く、COVID-19の影響を受けた業種で女性が多く働いていた状況が分かります。現在、専業主婦世帯は575万世帯、共働き世帯が1245万世帯と倍以上になっています。働く女性が増える中、共働き世帯の世帯収入の30%は女性が支えています。これからさらに進む少子高齢化時代では、女性やシニアの労働力に期待する一億総活躍時代が叫ばれていますが、女性の7割が非正規雇用という状態でもあります。改めて、非正規雇用が多い状況下で、今回、解雇・雇い止めにあった女性の33%が再就職ができていません。COVID-19によって、日本のジェンダーギャップ・問題が改めて露わになりました。世界の女性活躍が進む国に倣い、制度の変更や、政治や企業・教育現場においてまずは男女の人数から平等にするという、ジェンダー・イコーリティのような具体的な行動が必要なのかもしれません。

社会貢献債の発行が急増し、社会貢献意欲も増加する

201210.社会貢献債の発行が急増し、社会貢献意欲も増加する

2020年に世界のソーシャルボンドの発行額が急増しました。低所得者地域の支援に活用されるために起債された債券です。政治や金融の動きは、世界の動きを先導していくと言われていますが、ソーシャルボンドを購入する富裕層が低所得者層の支援に踏み出すような、そんな社会の行動を喚起する動きではないでしょうか。日本に目を向けて見ると、UターンやIターンを希望する人は9月に65.8%に上り、5月から29.7ポイント上昇しています。その希望する理由として、最多は「地元に帰りたい(44.8%)」ですが、次いで「地元に貢献する仕事をしたいと思った(35.9%)」となっています。こうした回答・行動からも社会に貢献したいという想いを持った人たちが増えている機運を感じます。ソーシャルボンドのように、社会貢献しつつ、またそれが自分の利益として還ってきて、それを繰り返し社会貢献に活用するような、そんな好循環につながって欲しいと考えます。

2020年12月号のよげんから考える提言

201211.今年一年を総括しよう

アメリカの絵本作家「ドクター・スース」は以下のように示唆します。

よくないことが起きた時、人には3つの選択肢がある。
振り回されるか、壊されるか、あるいはそれを糧に成長するかだ。

我々は、COVID-19によって「成長」することを選びたいと思います。コロナ禍に振り回された1年でした。それを糧に成長できたのだろうか?何が起こり、何を学んだかを振り返り、今年一年を総括しましょう。

 

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この記事を書いた人

株式会社ドゥ・ハウス 執行役員 聞く技術研究所 マネジャ

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