情報過多の社会で企業からのメッセージは生活者に届きにくくなりました。一方でソーシャルメディアの利用を中心にして、発信する生活者が増え、友人や知人の声や興味関心ごとに触れる機会が多くなりました。
参考記事:
Facebookにおけるクチコミを見て4人に1人がアクションする
当社では以前から、企業のメッセージを友人・知人の体験として生活者に伝えていくクチコミ・マーケティングに取り組んできました。クチコミによる情報伝播のメリットのひとつは「メッセージを喜んで受け取ってもらえる人に届けられる」ことです。
当社ではクチコミ・マーケティングの要件を以下のように定義しています。
- 既知の信頼関係に立脚した
- リアルな場所における
- 1対1での
- 直接的で
- インタラクティブな会話によって行う
上記を満たしたコミュニケーションの結果生み出されるのがクチコミとしています。噛み砕くと、情報の受信者の興味関心を理解した上で、相手の声を聞き、反応を見ながら喜んでもらえる情報を伝える。のがクチコミです。
こうしたクチコミの要件は、発信する生活者が増え、企業からのメッセージが届きにくくなった環境におけるコミュニケーションのヒントになります。
発信する生活者が増えたからこそ、企業もメッセージを喜んで受け取ってもらえる人を見つけることができるようになりました。そうした生活者とつながる方法は「傾聴」と「共感」です。
Twitterやブログを注意深く観察し、商品・ブランドのことが好きなメッセージを喜んで受け取ってもらえる人を探します。そして、そういう人たちに企業から歩みより、感謝を伝えて共感します。
こうした聞くからはじめるコミュニケーションは、生活者に驚きを与え、より商品やブランドを好きになってもらう強力なアクションです。
コミュニケーションのプランニングの方法として、「伝える相手の笑顔を思い浮かべる」ことと言いますが、生活者とのこうした直接コミュニケーションは相手の驚きと喜びのリアクションをひとつひとつ見て、感じることができるのもメリットです。
また、クチコミの伝播として大切な情報の受信者が発信者に変わるという機会も創出します。
Twitterやブログ上での企業と生活者との愛情あふれるコミュニケーションは周囲に伝播していきます。広がり続ける生活者発信の情報を、「メッセージを喜んで受け取ってもらえる人と出会える場所」として捉えなおすことで、届けづらくなった企業からのメッセージを届けたい人に届け、そこから広がるコミュニケーションが展開できます。
情報を喜んで受け取ってもらえる人と出会うために、生活者の声に耳を傾けるアクションからはじめてみましょう。