ドゥ・ハウスのフィールド・マーケター「DOさん」の全体研修を11月13日、15日の2日間に渡り開催しました。2日間合わせて総勢100名のDOさんたちが集まり、今年は「
解体親書」のワークを実践しました。
「解体親書」は先行するヒット商品のヒットの理由を解体し、得られた知見を別の市場に横展開してアイデアを発想する手法です。100名、1000を超えるデータを元にしたアイデア発想は最大規模の実施事例です。今回のワークの内容をお伝えしながら「解体親書」のプログラムについて紹介します。
目次
テーマ商品は、ハウス食品「まぜてマジック」です

解体する商品は、ハウス食品「
まぜてマジック」です。調味料にまぜて使う調味料という商品特長は、あまりがちな調味料を有効活用できる、ひと手間加えてオリジナルのソース・ドレッシングを作れる。など、主婦のウォンツを満たしてくれる要素がたくさんありそうです。DOさんたちが生活現場で使用して開発したデータから、ウォンツを導き出します。
購買時、使用時のデータを「行動・事象」「理由・背景」にわけて開発する

データ開発は「行動・事象」「理由・背景」にわけて書きます。この一対が1データです。データに思い込み(仮説)が入り込まないように、購買時・使用時の「行動(事実)」から書き始めること、そうしたデータフォーマットにすることがポイントです。
多いときには一人で「64データ」以上を書いてもらいます。数多くのデータ開発は生みの苦しみを伴いますが、お一人の使用シーンを深堀することで多くの人たちからアンケートを取得しただけでは現れてこない、意外な事実、深い使いこなしの事実が集められることが特長です。
データの読み込み~データが伝えたい「気持ち」を推測して下線を引く

データ開発の後、分析とアイデア発想は5~6人のチームで行います。最初にデータをシャッフルして、各々割り振られたデータを読み込みます。データを読みながら、そのデータが伝えたいと思う「気持ち」を推測して、データの肝となる部分に下線を引きます。
データを類型し、タイトルをつける

データ読み込みが終わったら、順番に手元にあるデータを読み上げ、それに「気持ち」が似ているデータがある場合は各々手を上げてデータの島を作っていきます。このときに大切な視点は、データを物性で分けるのではなく「気持ち」でまとめることです。前者を「分類」と呼び、後者を「類型」と呼びます。
「分類」とは
データを、場面、時間、機能・・・等、客観的な側面で同類のものをまとめていく方法です。
「類型」とは
直感で「似ているな」と感じたデータを、そこから見えてくる共通の視点でまとめていく方法です。
気持ちで類型したデータの島にタイトルをつけます。この後、構造図を作るにあたり個々のデータを読み返すことなく表現できるタイトリングも大切な要素です。以下に気をつけてチームでタイトルをつけていきます。
- 体言止めはNG
- 完全な文で書く
- 抽象化しすぎない
- 飛躍しすぎない。データから素直に取れる内容であること
- ウォンツ表現で書く<○○な状況において(○○だから)、○○を(は)、○○したい(○○であって欲しい)>
データを構造図で表現する

島にしてタイトルをつけたデータを構造化していきます。島同士で近いを思われるものを構造図上にプロットします。その後、島同士の関係を関係線で可視化します。データ分析の仕上げの作業です。
構造図にプロットされているウォンツから、コアになるウォンツ、意外・面白いと感じたウォンツを抜き出します

構造図にプロットされているウォンツから、コアになるウォンツ、意外・面白いと感じたウォンツを抜き出します。ここでピックアップしたウォンツを中心に、アイデア発想につなげます。
抽出したウォンツを起点に新商品アイデアを発想する

抽出したウォンツを起点に、まずは個人で新商品アイデアを発想します。その後、チーム内でアイデアラッシュします。アイデアラッシュは以下の姿勢を原則として行います。
批判を禁ずる
人の言ったことも、自分の言ったことも、批判するのはやめましょう。
量を求める
まずは、たくさんのアイディアを出しましょう。出てきたアイディアを、後から捨てることはいくらでもできます。
自由奔放に
遠慮せずどんどん口に出してみましょう。突飛なアイデアも大歓迎。
結合と発展
他人のアイディアに触発されてアイディアを発展させましょう。自分が次に何を言うかで頭の中を一杯にせず、人の発言をよく聞きましょう。そこから発展できるアイディアも出しましょう。
アイデアラッシュの末、チームで開発した商品アイデアを「新商品アイデアプレゼンテーションシート」にまとめます。

プレゼンテーションシートでは、W(ウォンツ)を起点に、T(ターゲットコンシューマー)、O(使用オケージョン)、B(商品ベネフィット)、A(商品の説明、属性)、それから商品イメージのイラストを記入し、商品アイデアを可視化します。
—
今回の研修では、チームごとにアイデアを提案すべき企業を決めて、具体的な商品アイデアの発想と提案をゴールとしました。「まぜてマジック」から抽出したウォンツをもとに、以下のような商品アイデアが生まれました。商品名のみ紹介します。
- とろーりマジック美容液
- 住み替えてマジック
- ノンアルイリュージョン
- アニバーサリーメガネ
- もみもみフレッシュバター
などなど。どんな商品アイデアなのか?詳細をご覧になりたい方はお問い合わせください。解体親書プログラムは2015年1月にオープンセミナーの開催を予定している他、DOさんと一緒に商品アイデアを発想したい企業さんへの個別プロジェクトとしても実施いただけます。ご関心ありましたら、以下よりご連絡ください。
コメント