よげんの書– category –
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ジェンダーギャップが原因で破綻する組織が現れる【月刊よげんの書2023年10月:よげん3】
男女同一賃金を軽視したことにより、ロンドンに次ぐ英国第2の都市バーミンガムが事実上の財政破綻を宣言した。同市は10年前から市職員の不平等賃金をめぐる時限爆弾を抱えていた。ボーナスの不支給を女性職員が提訴し、訴訟を起こされていた。市が敗訴したことにより、未払いのボーナスだけではなく… -
EVが世界の構造を変える予兆が見えてくる【月刊よげんの書2023年10月:よげん2】
テスラをEVの会社だと表面的に捉える人は多いだろうが、マスタープランを見ると、テスラのビジネスモデルは電気自動車の販売だけに留まらないことが分かる。EVは事業全体のひとつでしかなく、地球環境のために残りは太陽光発電や蓄電による電力網の補強、鉄鋼・化学産業の電化など5分野に力を入れている。とても… -
強欲インフレが経済をかき回す 【月刊よげんの書2023年10月:よげん1】
先進各国でインフレが収まる気配がないが、その背景に「強欲」があるのではないかと言われている。アズダ、セインズベリー、テスコ……。英国を代表するスーパーマーケットが不当に販売価格を引き上げている疑いが浮上したため、7月まで英競争・市場庁の監視下に置かれた。ユーロ圏の… -
失恋をリサイクルする人が増える【月刊よげんの書2023年8月:よげん10】
モノを捨てられない人は、思い出も捨てられない人が多い。モノには思い出が詰まっているが、中にはリサイクルした方がいい思い出がある。思い出にこだわり過ぎると次に進むことができない。「リサイクル」というのが大事な消費行動として生まれている。 -
壁が次々と崩壊する【月刊よげんの書2023年8月:よげん9】
人材を確保する際、問題になるのが日本にある「壁」だ。人材の流動化の問題で、転職の「壁」がある。日本人は長いこと同じ会社に勤めるのをヨシとしていたが、その価値観を変える必要がある。リスキリングによって、成長分野に人を移動させたり、ジョブ型雇用によって… -
人材難が成長を阻む【月刊よげんの書2023年8月:よげん8】
企業も成長を見越して設備投資に向かっているが、仕事を担う人がいないかもしれないという事態になる可能性がある。人口減少に伴って、労働人口が減っている。労働人口を増やすために、シニア層の雇用延長などの施策もあるが、追いついていない。デロイトトーマツグループが行った調査によると… -
設備投資ブームがやってくる【月刊よげんの書2023年8月:よげん7】
日本はずっと設備投資に消極的な企業が多かった。しかし、内閣府の「国民経済計算」によると、2023年度の名目設備投資は前年度比4.5%増の101兆円強、24年度は3.8%増で105兆円弱に上る見通しとなっている。100兆円超えは91年度以来32年ぶりで、2年連続の… -
インフレがGDPを押し上げる【月刊よげんの書2023年8月:よげん6】
現在日本はインフレに見舞われている。経済状況が悪くなる人もいるだろうが、実はインフレは成長でもある。内閣府の資料によると、4~6月期のGDPは実質年率6.0%増した。6%という数字は日本ではめったにない。名目成長率の伸びも加速し、名目では… -
トキ消費のための新しい市場が生まれる【月刊よげんの書2023年8月:よげん5】
双眼鏡の売り上げが好調だ。特に人気なのが手ぶれ補正機能を搭載した高機能機種。後押ししているのはアウトドアブームではなく、コンサートや観劇などエンターテインメント市場の拡大だ。価格コムのトレンド情報によると、一番シエアが高かったのは3万5千円以上の双眼鏡だった。推し活に… -
ポストコロナの世界にスウィフトノミクスが席巻する【月刊よげんの書2023年8月:よげん4】
「スウィフトノミクス」とはテイラー・スウィフト経済学のことだ。テイラー・スウィフトが動くと、同じようにお金が動くことから名前が付いた。彼女が2023年3月から始めた世界公演は、1年半の期間中に約1400億円の記録的な売り上げが見込まれる。先行する米国ではインフレが起こるなど、多大な経済効果を… -
趣味のためのスペパサービスが盛り上がる【月刊よげんの書2023年8月:よげん3】
スペパとは、スペースパフォーマンのこと。コロナ禍の中で趣味が増えた人が多く、スペースを有効に使おうというきっかけになっているという。新型コロナ禍でトランクルーム需要が急増し、2019年比で7%も価格が上昇している。趣味や保管目的での利用が増え、都心部にある… -
微生物の働きが二酸化炭素活用のカギとなる【月刊よげんの書2023年8月:よげん2】
脱炭素のためのカーボンリサイクルが脚光を浴びている。回収したCO2を原料として化学品を製造する技術は「CCU」と呼ばれる。厄介なCO2を有用な原料に変える技術で長い間取り組まれているテーマでもある。しかし、炭素と酸素を引き剥がし、別の物質に変えるには多くのエネルギーがいるのが課題だった。その課題解決のキープレイヤーとして、微生物の… -
衝撃的な熱波の衝撃的な影響が次々と明らかになる【月刊よげんの書2023年8月:よげん1】
近年、アジア、南欧、米国南部の人口の多い地域では、40℃あるいはそれに近い気温が長期に渡って続くような酷暑が日常化している。世界の平均気温は7月に過去最高を更新した。世界気象機関のターラス事務局長が「酷暑は新常態になった」とも発表した。猛暑が経済や社会に与えている深刻な影響がみえてきた。 -
放置竹林の竹が「家畜の餌」に変わる【月刊よげんの書2023年7月:よげん10】
輸入、円安も重なり、かなり高騰している。畜産農家は非常に苦しい状況にある。その問題を解決するために、竹から作ったエサに注目が集まっている。竹を細かく砕き、乳酸菌を混ぜ込んで発酵させると豚が食べられる餌になるのだ。竹からつくる餌は食物繊維が豊富で腸によく… -
農業インダストリーの時代が本格化する【月刊よげんの書2023年7月:よげん9】
海外では企業が経営している大規模農業も多いが、日本では個人経営の農家が多い傾向にあった。そのため、個人を保護する施策が多くあったが、それが緩和され、企業が参入できる状態になっている。農林水産省の統計によると、2017年以降、個人経営の農家が減る一方で企業経営の農業が拡大しており… -
肉離れが定着する【月刊よげんの書2023年7月:よげん8】
値上げも大きいと思うが、鶏、豚、牛など、肉の消費量がマイナスに転じたと農畜産業振興機構が発表した。つまり、生活者の肉の消費量が減っているのだ。また、肉の在庫も12カ月連続で前年を超えているとの統計もある。インフレ、値上げ、円安などの理由もありつつ、コロナで飲食店が振るわなかったのもある。今後…