4.サンプリングのターゲット2

2024.04.01

コラム・データ

ターゲットの決め方

サンプリングのセグメントとしては前記事「サンプリングのターゲット1」の通りですが、では「サンプリングのターゲット」はどのように決めていくべきなのでしょうか?


商品設計の段階でターゲットが細かく設定されていることも多いかと思います。また、販売を続ける中で、その期のコミュニケーション戦略に合わせて注力するターゲットを決めていくこともあります。新商品の場合には、商品開発段階で設定したターゲットにサンプリングすることになると思います。例えば、化粧品でも、10代をターゲットとして開発されたものなのか、40代をターゲットとして開発されたものなのかなどです。
また、商品特性からターゲットが決まってくることも多々あります。 例えば、ファンデーションの場合、ウォータープルーフで化粧崩れしにくい特性があるのであれば、アクティブに活動するひと・スポーツする人にサンプリングするという具合です。


一方、既存品の場合には、現在のユーザー層にサンプリングするということもありえますし、ターゲット層を拡大するために、現ユーザー層とは異なる層にサンプリングするということも考えられます。
現在のユーザー層にサンプリングする場合には、なぜその層に受け入れられているのかを十分に検討し、お客様の声などを掲載したリーフをつけるなどして共感を呼べるようにするといいかもしれません。例えば、小さなお子様のママが現ユーザー層のメイク用品の場合、「お子様のお世話や準備で、自分の身支度に時間がかけられない忙しい朝も時短でメイクできます」というような具合です。


新しいターゲットにサンプリングする際には、なぜその層を狙うのかを明確にしたうえでサンプリングのコミュニケーションを考える必要があります。時短メイク品の場合、若い女性ターゲットに「冬の寒い朝、少しでも布団に入っていたいけど、メイクはしっかり決めたい人へ」というようにオケージョンやベネフィットを明確化して訴求し、それが伝わるリーフレットなどを同梱してサンプリングする必要があります。

そして、新商品も既存品も、マーケティングコミュニケーション戦略に合わせてサンプリングターゲットを決めるということが多いです。広告(TV・雑誌・WEB・新聞・交通広告)販売促進施策・キャンペーン施策・イベント・PR等を含めたマーケティング全体の中で設定されたターゲットにサンプリングするのです。


広告やイベントなんてやらない、という場合であっても、自社サイトの訴求、パッケージの訴求、リーフレットのトンマナなどと矛盾がでないようにターゲットを設定します。そうすることによって、ブランドイメージを浸透させていくのです。


ターゲットの考え方 スモールマス

ここ最近、「スモールマス」という考え方が出てきています。もともとは、花王株式会社の提唱した概念です。スモールマスとは、「マス(大多数)ではないものの、一定の規模を持つ消費者の層や集団」を指しています。この概念は、商品開発マーケティングにも、販売マーケティングやプロモーションにも使われています。画一的で大多数をターゲットにしたマーケティングを行うのではなく、生活者をそれぞれのニーズやウォンツそして悩みに沿ってセグメントした上でマーケティングを行うことです。


サンプリングにもこの考え方を当てはめることができます。ターゲットを絞りスモール化してサンプリングを行い、そのサンプリングされた人達が「この商品は自分にあっている・良い商品だ」と思ってくれた時には、その方々が商品の魅力の発信者となっていくのです。当社でも「コスプレイヤー」「同人作家」「eスポーツ」などのスモールマスを狙った尖がったターゲットへのサンプリングメニューを用意しています。

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