このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
リサーチャーからマーケターへ
-今、製品開発はどのくらいの時間でやられるものですか。
坂東:商品によりますが、だいたい2~3年くらいです。
-春と秋にこれが必要だということでやるわけではないのですか。
坂東:それはないですね。前々からいろいろやっていて、「この辺を持っていこうかな。」と、そういう感じはありますが。
-板東さんは、商品開発をやられてどれくらいになりますか。
坂東:今、4年目くらいです。この会社では、その前は消費者調査をやっていました。
-リサーチをやっていらっしゃったのですね。「ザ・マーケター」では、開発マーケターってどういう人で、どういうバックグラウンドがあって開発マーケティングに携わるようになったかに関心を持っています。リサーチの前はどうでしたか。
坂東:その前は別の会社にいてマーケティングをやっていました。
-文系か、理系かみたいな話がよく出てくるんです。坂東さんは?
坂東:完璧に文系です。全く理系はだめですね。まるでわかりません。
-同じマーケティング部の中では、どんな構成になりますか。
坂東:私のいる部署は主に企画系で、実際の物作りはR&Dセンターというのが別にあります。R&Dセンターの者は全員理系ですが、逆に商品開発部の方はほぼ全員文系だと思います。
-他の企業のマーケティング部、商品開発をされている方は、一種あこがれで見られると同時に、あそこは大変だよ、と見られるとお聞きしますが、御社ではいかがですか。
染矢:憧れじゃないですか。うちはメーカーですから。メーカーなので、やはりメーカーの人間は、そこに携わりたいという若い人が多いでしょうね。
坂東:やはり入ってくる人は、その辺を希望して入ってくる人が多いですね。
染矢:やっぱりメーカーですからね。
-一方で、「でも大変そう」と言われるとお聞きします。憧れに慎重さが加わるようです。
坂東:うちは、すごく大変だと思われていることもないのでは?
染矢:うちは開発をするのが好きという人と、能力がある人が一緒にいっているケースが結構多いので、楽しんでやっている人が多いのではないですか。若い方を中心に。
坂東:すごく大変だという風に捉えられてはいないと思うのですが。
染矢:時間的な制約はありますよ。例えば残業して遅くなったとか。そういうのは全然抜きにして。それを大変と言ったら、どういう仕事もできませんよね。やはりやりたい人は時間に関係なく、土日もやっていますしね。
坂東:うちはそんなに大きな会社ではないので。すごく組織がかっちりしていて、上の人の承認をどんどん得なければいけないという組織ではないんですね。割とフラットです。社内的な大変さって、各企業さんあると思いますが、そういうことは比較的少ないと思います。ただ、合弁会社で親会社がありますので、何でも好きにできるというわけではありません。でも、比較的自由度が高いので、そういう意味でのストレスは少ない方ではないかと思います。
マーケターは出身部門を問わない
-坂東さんは、消費者調査をやってからマーケティング部門にいらっしゃってますが、他にどういう経路をたどってこられる方が多いのですか。
坂東:開発は営業出身者が多いですね。ほとんど営業ですね。
-そうすると板東さんは少数派なのですか。
坂東:そうですね。営業か、一部総務とか経理から来た人もいるんですが。
-業務系からいらっしゃる方もいるんですか。
坂東:別にどこからというのは特にないんですよ。ただ、人数的には、たまたま今は営業が多いですね。営業からでないと来られないということではなくて、たまたま。
-R&Dセンターから、こちらにいらっしゃるということはないのですか。
坂東:今のところはないですね。こちらから行った人はいますが。R&Dセンターは、開発しなければいけないアイテムが増えているので、増強傾向にあります。だから一旦入った人は皆戦力になってしまい、動かないですね。動かせない。増やしている状況なので。
-R&Dから開発に行きたいという方もいらっしゃるのではないですか。
坂東:R&Dの方には物が作りたい人が行っていますので、異動したいと思っている人はあまりいないのではないかと思います。実際手を動かして物が作れるのはR&Dセンターなので。
-異動がないわけではない?
坂東:異動はよくありますが、こういう経路でないとここに行けないということはありません。
染矢:やりたい人がいて、その人の資質を見て、開発に向いているんじゃない?と思ったら開発に行きますし。うちは結構そういう会社です。
-消費者調査をやっていらして、開発というのが1つの道というわけでもないということですか。
坂東:それは全然。今、調査の仕事を開発部でもやっているので、そういうのは特にないですね。
染矢:全然ないよね。
自分で発想できること
-開発マーケターというテーマなのですが、マーケターになるのにどんな資質があればいいと思いますか。
坂東:やはり食品を作っているので、食べ物に興味がないとだめだと思いますね。自分でいろいろ考えて発想できるようなタイプの人でないと難しいのではないかと思います。うちは担当者が自分でやっていくというスタイルになっておりますので、自分で考えて自分で人を動かせるような。最初からできなくていいんですが、資質としてはそういう人です。人に言われて動くというのではちょっと厳しいかなと思います。
-担当者が自分でやっていくというのは、1つの製品なり、製品群なりを任されてやっていくということですか。
坂東:そうですね。私は全体を見ているのですが、担当者が作りたいと思う物を作るというのが基本なんです。ただ、趣味でやっているわけではないので、作りたい物を作るというのは、極論すればそうなんですが、その過程、過程で調査をして意見を聞きながら。独りよがりになっていないか、確認してやっていきます。でも、基本的にはそういう調査で確認できていれば、担当者がやりたい方向でやるということになっています。逆にやりたいことがない人にはできないんですよね。
-作りたいアイスとか?
坂東:イメージができないと厳しいので、そういうものがある人がいいのではないかと思います。