「ファイル」と「テプラ」といえば、
株式会社キングジムさん。2011年5月から
Facebookページをスタートさせ、もうすぐ丸2年を迎えます。オフィスでお馴染みのキングファイルのキャラクター「キングファイル君」が発信するゆるめの投稿が人気を呼び、現在12,000以上の「いいね!」数は右肩上がりで増加中。
Facebookケーススタディ、第2回はそんなキングジムさんに運営の秘訣をお伺いすべく、広報の藤本さんと、更新担当のキングファイル君に直撃しました。
広報の藤本さんとキングファイル君。ふたりで協力して更新を担当中
「どんどん新しいものを取り入れよう!」
社長自らソーシャルメディアの導入を後押し。
さっそくですが、どのようなきっかけでFacebookを立ち上げようと思われたのですか?
藤本さん:
もともと運営していたキングジムの
公式ツイッターが好評だった事もあり、自然とFacebookにも意識が向いていました。キングジムを応援してくださっている方と直接コミュニケーションが取れるツールとしてソーシャルメディアを積極的に活用したいと思うようになったんです。加えて公式Facebookページの立ち上げ前から弊社社長が自らツイッターやFacebookを使いこなしておりまして(笑)Facebookページのスタートにも背中を押してくれました。
社長ご自身がFacebookに乗り気でいらっしゃるのはとても珍しいケースですね!一般的には「渋る上司を担当者が説得」というパターンが多いように感じます。
藤本さん:
あ、そうなんですか?弊社はむしろ逆でした(笑)ソーシャルメディアに限らずですが、社全体が積極的に新しいものを取り入れようという姿勢ですし、キングジムを知っていただくのに、ユーザーと直接コミュニケーションがとれるTwitterやFacebookはとても効果的だと思っています。企業ホームページだけではどうしても伝えきれないメッセージや、商品にまつわる細かな情報・裏話などをソーシャルメディアでは紹介しています。
でも、企業の情報はとかく堅苦しくなりがちですよね。なので、そこはキングファイル君に頑張ってもらっています(笑)キングファイル君が居てくれるので、柔らかい投稿ができていると思います。
12歳の男の子、キングファイル君が毎日更新しています!「ボクのプロフィールも公開中~。見てね♪」(キングファイル君)
キングファイル君:
実はぼく、誕生日があるんですよ。2013年1月16日で12歳になりました(笑)成長して大人になっていくキャラクターです(笑)今年の誕生日の投稿には230以上の「いいね!」がつき、ファンの方にお祝いしていただけました♪
社内確認はせず、担当判断でどんどん情報発信!
その理由とは?!
キングファイル君、みなさんに愛されていますね♪Facebookの投稿の際、心がけていることはありますか?
キングファイル君:
まずは「みなさんが受け取って嬉しい情報かどうか」を考えています。キングジムのFacebookページに「いいね!」してくれた方が喜んでいただけるかどうか…それを1番に考えて投稿しています。
藤本さん:
広報からキングファイル君にお願いしている事もいくつかあるんです。例えば、
画像を入れる
テキストを読まなくてもパッと見て伝えたいことがわかるように、できるだけ画像を多く使ってもらうようにしています。
コメントにはなるべく答える
キングファイル君は「書類を守る」という生真面目な性格なものですから♪その長所を活かしてできるだけ返信してもらっています。
1日1回更新目標
内容はキングファイル君の日常や商品紹介など。ネタに困ったときは社員や時には社長にも登場してもらっています(笑) 面白がって出てくれますので、ありがたいです(笑)
Facebookの運営は、そのほとんどをキングファイル君に任せています。基本的に投稿はもちろん、お客さまへの返信コメント内容についても、社内での確認を待つよりスピードを重視しています。
実は、それには弊社の商品開発に対するポリシーも関係していまして…
考え方の根底に、「商品はニッチだけど、10人に1人でも喜んでくれるお客さまがいるなら、ひとまず作ってみよう。商品のよしあしは市場が判断してくれる」というものがあるんです。
ですから、Facebookの投稿やコメント自体も、「ひとまず会社のメッセージを伝えてみよう。もしかしたらお客さまに怒られるかもしれないけど、そうしたら直していけばいい。情報が遅れたらそちらのほうがお客さまに失礼だ」と考えているんです。ですので担当の判断でどんどん情報発信し、お客さまと交流しています。
「キングジムの商品には、もし企画の前にマーケティングリサーチをしてしまったら、開発会議にも上がらなかったと思われるものがたくさんあります(笑)10人のうち1人でも熱烈にほしがっている人がいるなら、それが日本の人口で換算するととても多い数になりますよね。売れる可能性があるなら作ってしまおうという考え方なんです」(藤本さん)
たとえばこんな商品も。テキスト入力に特化したメモ帳「ポメラ(Pomera)」「テキスト入力だけの機能?そんなのいらないよ。。。」そう思う人が大半のはず。でも、キングジムでは作ってしまいます!
そういう考え方がキングファイル君の魅力につながっているのかもしれませんね。ファンからの声ややり取りで嬉しかったことはありますか?
キングファイル君:
実は去年、広報室の人はみんなぼくの誕生日のこと忘れてて…朝から待ってたのに何にも言ってくれなかったんです。だからぼくも、誕生日のこと投稿しづらくなっちゃって、そのままにしていたんですね。
そうしたら、なんとファンの方からから「誕生日おめでとう」のメッセージが届いたんです!これは嬉しかったですね!そのお客さまの投稿を読んだみなさまからも「おめでとう!」というコメントが寄せられたり、イラストのプレゼントをいただいたり。とっても感激しました。
Facebookの交流がとても上手くいっているのですね。今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか?
藤本さん:
ファンの数(「いいね!」数)も大切にしていきたいですが、既存のファンの方々に投稿コンテンツがどのくらい届いているか、そして、発信した情報をどれくらい面白く読んでくださっているかを重視していきたいです。
現在弊社では、FacebookなどのソーシャルメディアをPRツールとして活用すべく、優先順位が高くなってきています。これからは発信のボリュームよりも質を高めていき、ユーザー同士のコミュニケーションの中にキングジムの情報が入ってくような親密度の高い情報発信を意識していきたいと考えています。
ファンの方々をとても大切にされていることが伝わってきます!興味深いお話をありがとうございました!
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取材を終えて
「ひとまず会社のメッセージをお伝えして、市場やお客さまからの反応をお伺いしよう」という考え方がとても魅力的でした。その考え方がFacebookでの丁寧でスピーディーなコミュニケーションにつながっているのですね。
キャラクターを立ててFacebookを運営することは、やりやすい面もある一方で、言葉遣いや性格などに制限が出て難しいと感じる企業様も多いのが実情です。でもお話を伺っていると、キングジムさんの場合、キングファイル君のキャラクターと藤本さんのお人柄がかぶる部分もあり、だからこその成功事例だと感じました♪これからもキングファイル君のお茶目な更新、楽しみにしています!
Facebook ケーススタディでは、「うちのFacebookページも取材させてあげるよ?」「取材の前にとりあえず情報交換させて!」等々のお問い合わせをお待ちしています。ぜひお気軽にご連絡ください。