ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。
「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。
今回は8/25に行われた「月刊:よげんの書8月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。
トキ消費のための新しい市場が生まれる
双眼鏡、推し活で人気
双眼鏡の売り上げが好調だ。特に人気なのが手ぶれ補正機能を搭載した高機能機種。後押ししているのはアウトドアブームではなく、コンサートや観劇などエンターテインメント市場の拡大だ。遠いステージにいる推しの表情を手に取るように見ることができると、ファンが共有するSNSでの評判が原動力になっている。価格コムのトレンド情報によると、一番シエアが高かったのは3万5千円以上の双眼鏡だった。推し活に使われる新しいトキ消費の市場の一つとなっている。
デジタルカメラ市場が回復基調
デジタルカメラはずっとスマートフォンのカメラに押されていたのだが、カメラ映像機器工業会によると、22年のデジカメの世界出荷額は21年比で約4割増の6812億円だった。平均単価は8万5千円と直近3年で2倍以上に高まっており、高機能デジカメが市場回復をけん引している構図が鮮明だ。レジャーや趣味などトキ消費としてトキの価値を高めて、投資をした体験の記録をスマホ以上のいい写真で残したい、一段レベルの高い写真で残したい、という気持ちがあるのだろう。また、トキ消費後の行動としてSNSでのシエアがある。SNSで共有するときも周りよりよい写真で残して気持ちよくなりたい、などの需要が大きくなっているのかもしれない。
対比の中でマーケットが動くという例な気がする。昔のカメラはレンズを交換したり、露出計を使ったり、背景のぼかしを考えてピントを合わせたりと、儀式的なところがあった。だが、スマートフォンで簡単に写真が撮れる環境になり、写真を撮る体験自体が大衆化しているので、そこから一つ上に突き出すものを手に入れたくなっているのだろう。

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