ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。
「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。
今回は7/21に行われた「月刊:よげんの書7月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。
肉離れが定着する
肉の消費量が全体的にマイナスに
値上げも大きいと思うが、鶏、豚、牛など、肉の消費量がマイナスに転じたと農畜産業振興機構が発表した。つまり、生活者の肉の消費量が減っているのだ。また、肉の在庫も12カ月連続で前年を超えているとの統計もある。インフレ、値上げ、円安などの理由もありつつ、コロナで飲食店が振るわなかったのもある。
プラントベースシフトへのスタートとなるか
今後、肉の消費量は増えることがあるのだろうか。温室効果ガスの排出量に関して、畜産は特に影響が大きいといわれている。海外の飼料が高騰し、穀物価格の上昇で家畜の飼料代の値上がりしたことにより、食肉価格も上昇している。その反面、代替え肉の市場は広がっており、日経POS情報によると大豆たんぱく食品の価格は低下傾向だ。競争が激化したことで価格が下がり、競争力が向上そているのだ。今、プラントベース商品が普及する端境におり、プラントベースフードにシフトしていく始まりの時期になっている可能性がある。
日本はもともと精進料理などがあったので、プラントベースフードは得意な分野だ。プラントベースのタンパク質をもっと開発していけるといい。この食生活は体にもいいものなので、全世界に広がっていくだろう。
特に2020年代に入ってからバタフライエフェクトを感じる。危機はチャンスを作るというが、サプライチェーンが崩れて、穀物の値段が高くなり、それを食べる動物、つまり食肉が高くなることで肉が買いづらくなり、プラントベースに移っていくという、大きな循環を感じる。プラントベースへの移行が進まない中で、コロナ禍や戦争による危機から方向転換する可能性をみると、危機におびえるのではなく、機会がないのかを見つめる必要がある。
「月刊よげんの書2023年7月号」の動画アーカイブはこちらから。ぜひお申し込みください。