ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。
「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。
今回は5/26に行われた「月刊:よげんの書5月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。
コッペパンのヒットにもレコノミーが反映される
レコノミー:新しい資本主義経済
リサイクル、リユース、レトロ、リスキリング。昨今のトレンドになっている行為を英語にするとREが冠につく循環型の経済行動が多いことが分かる。総称してレコノミーと呼んでいる。今後は足元の資源、人材、知的財産を再構築するモデルに移行する。自己の利益を極大化する行動基準を持つホモ・エコノミクスから、全体の利益を優先するホモ・レコノミクスへ、新しい資本主義が浸透している。
生コッペパン:ファミマ
2023年2月末の発売から20日間で1000万食を突破し、これまでの大ヒット商品「ファミマ・ザ・クリームパン」の記録を上回るハイペースで販売されている。コッペパンの生地で目指したのは「懐かしさ」と「新しさ」の両立。企画段階で中高年と若年層の架け橋になる商品として掲げた。CMでも中高年と若年層の両方に届くようPRした。これまでコッペパンを使った商品の主な購入層は40~50代の男性が中心だったが、発売後は女性客の購入が8~9%増加した。ちゃんと思いが届いて、購入されている。
レコノミーの視点はタテ型消費
人口減と少子高齢化が進み、今や日本人の平均年齢は50歳近く、2030年になると50代以上の層が過半を占めるようになると予想されている。成人人口をみても40代以上が全体の7割を超えている。この結果、購買層が縦に伸びるコンテンツやアーティストほど、メガヒットにつながっていく。
これまで世代を区切って横串で若者を狙ったもの、ヤングファミリーをしっかりとらえることがマーケティングの中心だったが、今後は年齢層を超えた縦型のマーケに軸足を置く必要がある。世代レスの時代になってきており、縦型消費の全年代を見据えた訴求の仕方、マーケティング方法を考えていくべきだろう。ファミマの生コッペパンのように、世代を超えてレコノミーとして、年代が高い人には懐かしく、若い人にも受け入れられる商品を考えることが必要だ。
高齢者にとってレトロは懐かしい、若年層にとってレトロは新しく感じる。見え方が全然違うのだろう。
レトロフューチャーが流行ったことがあった。懐かしい未来がコンセプト。過去に作られたSF映画の雰囲気があるもの。

「月刊よげんの書2023年5月号」の動画アーカイブはこちらから。ぜひお申し込みください