ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。
「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。
今回は4/21に行われた「月刊:よげんの書4号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。
デジタル人材の花形が変わる
デジタル人材は2030年に最大約79万人不足
政府の試算ではデジタル人材は2030年に最大約79万人不足するといわれている。日本ではIT人材というと、データサイエンティストが花形。一方でアメリカでは今でもデータサイエンティストは3位で高いが、下降傾向にある。今人気があるのは、エンタープライズアーキテクト、ビジネスアーキテクト。システム全体を設計、デザインする人だ。アメリカはDXが進んでいる中、ビジネスをどう組み立てるかが大事になっている。日本の失われた30年で失われたのは「社会システムをデザインする人がいなくなった」という話をした。それと同じで、会社のシステムをどうデザインするか求められている。
今の人気職種はEA(エンタープライズアーキテクト)
EAとは「エンタープライズアーキテクト」のこと。企業をどうやって形作るかを考える設計士のことだ。ただ設定するのではなく、そこにはデジタルもかかわってくる。EAはビジネス、アプリケーション、データ、テクノロジーに関する知見を持ち、それらを組み合わせて、今の会社に最適なビジネスモデルを考える、構築する人だ。これが今アメリカでもっとも求められている人。日本に圧倒的に足りていないのはここ。だからDXも進まない。ただデジタル化しただけだとダメで、グランドデザインをどう描くかから始めないと、トランスフォーメーションが起こらない。
EAの要素を見ると、フィリップコトラーが提唱したH2H(ヒューマン・トゥ・ヒューマン)マーティングに必要な3つの要素と似ていると感じた。デザイン思考、サービス・ドミナント・ロジック、デジタライゼーションだ。それらが融合しないと、長く使うブランディング、マーケティングにならない、と言っている。全体を構想する視点ではEAも近い。デジタルの領域からEAになるひともいるだろうが、マーケターがITを学んでEAになる道筋もあると感じた。
ビジネスの視点がないと、EAは成立しない。稼ぐ力ともいうが、それをデジタルでどうつけるかを考える必要があるので、ビジネスのセンスが求められる。文理融合にこだわらず、総動員する必要がある。
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