月刊:よげんの書アーカイブ~【2021年2月号】後編 ―― そろそろアフターコロナに向けた戦略を考えよう

よげんの書は、生活の変化や経済・環境の変化など、社会課題を背景に少し先の生活を考えるマーケティングコンテンツです。企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のナラティブをみなさんと共有するために定期的にセミナーを開催し、毎月10のよげんを発表しています。

本ブログでは、2021年2月に発表した10のよげんの中の5つをセミナーでお話した内容のサマリとともにお届けします。

目次

2021年2月号のよげん:後編

年内はウィズコロナへの覚悟が広がる

210206.年内はウィズコロナへの覚悟が広がる

COVID-19の集団免疫を獲得できる時期に対する予測は、先進各国は2021年内の獲得が予測されているのに対し、日本は遅く、2022年4月ごろだという予測が立てられています。このような状況に呼応するように、NHKが大手企業100社に対して行った調査によると、日本経済が感染拡大前に戻る時期は2022年前半という回答が最も多く27社が回答しています。集団免疫と経済回復の予測という視点は少し異なりますが、2021年内いっぱいはWithコロナの環境を覚悟している様子が伺えます。

収入の減少をギグワークで補う人が増える

210207.収入の減少をギグワークで補う人が増える

2021年初から再び緊急事態宣言が発布され、出勤日数や残業が減少しています。それに伴い、収入が減少し、ギグワークで補う人が増えることが想定されます。スキマバイトアプリ「タイミー」の登録者を見てみると、2020年に89万人増加していて、2019年の倍以上の登録者数となりました。登録者の職種を確認すると、パート・アルバイトが31%と最多となりますが、正社員が19%、契約・派遣社員が12%おり、両者を合わせて会社員が31%も登録していることがわかります。

またギグワークで得た報酬の用途は、75%が生活費と回答し最多、趣味や娯楽という回答もありますが、86%が副収入を得るための手段として活用しています。加えて、タイミー経由の労働力がどこに使われていたのかを確認すると、2019年は飲食が約65%と最多だったが、2021年は約63%が物流における軽作業となっています。自粛によって需要が低まった飲食業から、逆に需要が高まった物流へとギグワークの労働力が流れていることもわかりました。

バブルのトラウマからの脱却が始まる

210208.バブルのトラウマからの脱却が始まる

2021年2月15日に、日経平均株価が30年半ぶりに30,000円を上回り、バルブ崩壊を経て、このCOVID-19禍の時期に節目の30,000円を超えたことが大きな話題となりました。一方で、同じ期間に米国のダウ平均株価は3,000ドルから31,000ドルへと10倍に値上がりしています。30年間で大きな節目を超えた日経平均株価ですが、その30年間で米国経済・企業との差は大きく開きました。

30年前の日本と米国を比較すると、GDPは日本は3.1兆ドルに対し、米国は6.0兆ドルとその差は2倍程度でした。今は、日本が5.1兆ドル、米国が21.9兆ドルとその差は4倍以上です。同じく時価総額の世界シェアで見ると、日本が31.2%に対し米国が33.0%と肉薄していましたが、今は、日本が6.8%で米国が42.0%と大きな差が生まれました。世界時価総額上位1000社内の社数は、30年前は日本が341社、米国が274社と日本が上回っていました。現在は日本が77社、米国が417社。米国だけでなく、その他の先進国、新興国にも先を越されてしまっています。

ただし、日本も苦しい30年の中、GDPや時価総額、EPSはゆっくりと上昇はしています。COVID-19という大きな変化の中、バブル崩壊前の株価を超え、トラウマからの脱却が始まるのではと感じます。

プラスチックのリサイクルが問い直される

210209.プラスチックのリサイクルが問い直される

昨年7月のレジ袋有料化から、生活者が店頭でレジ袋を辞退する率は8割まで上がりました。日本の生活者が脱プラの意図を理解し、行動している様子が伺えます。また、「資源とゴミの分別」の実施率に関する調査では、生活者の87.7%が「分別している」と回答しています。日本の生活者は循環経済の実現に向けて、しっかり行動を起こしています。

そうした中、2017年の「プラスチック循環利用協会」のデータによると日本のプラごみは903万トン排出され、その86%が有効利用されているとされています。ただし、この有効利用の中身を見てみると、実際に再生されているものは10%強しかなく、58%は「サーマルリサイクル」に充てられています。プラスチックを熱源として活用するサーマルリサイクルでは、利用過程でCO2が排出されます。サーマルリサイクルは本当の脱炭素なのかと疑問が投げかけられています。改めて、プラスチックのリサイクルを問い直し、真の脱炭素、循環経済を考えないといけません。

一億総ダイエットが始まる

210210.1憶総ダイエットが始まる

2021年に国連が「食料システムサミット」を開催します。食料の生産方法や消費、食品ロスに変革をもたらす食料システム改革を目指しています。気候変動や格差社会の問題には、食料システムの問題が大きく影響していることが、その背景にはあります。そうした食料システム改革に取り組む「イート財団」は、「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」という食事の変革を提案しています。

プラネタリー・ヘルス・ダイエットは、人間の食料の半分を野菜に、牛や豚は週に98g、鶏肉は203gに抑え、不足するたんぱく質は豆から取ろうという提案です。これによって、先進国では牛肉や豚肉は8割以上の削減、魚を多く食べる日本でも7割が削減されると言われています。こうした食生活を人々が受け入れられるようになれば、環境や健康、格差の問題の解決につながります。全世界一億総ダイエットの習慣が始まるかもしれません。

2021年2月号のよげんから考える提言

210211.そろそろアフターコロナに向けた

実際には日本経済の回復は2022年になるかもしれません。その時に向けて、アフターコロナの戦略を考えていきましょう。そのカギは、SDGsにあると思います。持続可能な世界に向けての17の目標に、企業・個人の目的をどう合わせていくのか、その視点を持って戦略を考えておくことが重要です。

 

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この記事を書いた人

株式会社ドゥ・ハウス 執行役員 聞く技術研究所 マネジャ

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