聞く技術研究所

レジ袋有料化から見る生活者の脱プラスチックへの道

新型コロナウイルスの蔓延の中、2020年7月1日よりプラスチック製買物袋有料化が実施されました。 簡単に言うと、環境に配慮されていないビニール袋は無料で配ったらダメよ、というものです(今回のブログの中では『レジ袋有料化』と簡単に表記させていただきます)。このレジ袋有料化を受けて、店頭では多くのエコバッグを見かけるようになりました。私も、かわいいエコバッグを見るとついつい購入してしまいます。 弊社ドゥ・ハウスで、エコバッグを持っている方がどのくらいいるかを調査したところ、なんと女性の5割がエコバッグを5つ以上持っているという結果になりました。 図2 ※調査期間:2020年7月30日(木) ~ 8月3日(月) ※詳細調査データはこちら 私もエコバッグは6つ持っているので、納得の結果です。 では、どうしてレジ袋を有料化することになったのでしょうか。 経済産業省のサイトには、
プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります
との記載がありました。次いで
段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。
ともありました。 エコバッグのエコはエコロジーのことですね。本来エコロジーとは生物学をさす言葉ですが、今では広義に、生物学的な知見を反映しようとするものごとを指す言葉としても、使われています。エコバッグのように、接頭語として【エコ】をつけるなど、わかりやすい使われ方をしていますよね。 話を戻しますと、レジ袋有料化には『脱プラスチック』『ライフスタイルの見直し』による『環境問題への国民の意識向上を図る』目的があるかと考えられます。 先ほどのドゥ・ハウスの調査では、「脱プラスチック」・「脱プラ」という言葉の知名度・認知度も聞いています。   図1 「脱プラスチック」・「脱プラ」という言葉の知名度・認知度を聞いたところ、知名度は81.0%、そのうち認知度は47.2%という結果が出ています。1月よりもレジ袋有料化が施行された7月の方が知名度・認知度ともにあがってきていることがわかります。ですが、知名度と認知度のギャップを見る限り「脱プラスチック」や「脱プラ」に関しては、名前を聞いたことはあるけれど、その内容まで理解している人はまだまだ少ないと考えられます。 レジ袋の有料化を元にどういうことを目指していくのかなど、日本が何故こうした取り組みをする必要があるのか、もう少し政府からの発信が増えると認知度もあがっていくのかもしれません。 日本の環境問題への生活者レベルでの分かりやすい取り組みは、新しいものではこのレジ袋有料化ですが、世界ではどのようなことを行っているのでしょうか。 早くから環境問題に取り組んでいるフランスを例にしたいと思います。 フランス政府は2021年1月1日にストローや使い捨てのナイフ・フォーク・マドラー、及びファストフード店のポリスチレン容器の禁止を始めます。その後も毎年、様々なものを制限する政策をとっています。環境問題への先進的な取り組みを元に、2019年のG7環境大臣会合はフランスのリードにより、フランスはメスにて開催されました。 こうした取り組みの目的の一つには、SDGsにも言われる環境への配慮、次世代へと続く持続可能な社会の創生があります。ですがフランス政府の狙いは、いち早く環境問題に取り組むことにより、今後続いていく環境問題の業界に於いて、世界的なリードをはかることにありました。 そうすることにより、世界の環境業界をコントロールしていく立場となり、フランス国家にとって有利な条件でビジネスをすすめることができるのです。 エコロジーを考えることは非常に大切なことではありますが、ただ地球にとって、環境にとって良い、というだけではなく、その結果どうなるのか──ビジネスをリードできる、子ども達がその国で育っていく際に十分な生活環境を得られる、など──を提示していけるヒト・モノ・コト、そしてクニが今後生き残っていけるのではないでしょうか。 ※本文中の調査(「脱プラとレジバッグ有料化」に関するアンケート)については下記よりダウンロードいただけます。 https://www.excrie.co.jp/datacolle/rs20200903/