月刊:よげんの書アーカイブ~【2020年9月号】後編―――したくても、できなかったことをやろう

よげんの書は、生活の変化や経済・環境の変化など、社会課題を背景に少し先の生活を考えるマーケティングコンテンツです。企業や個人がマーケティングで語るべき時代のナラティブをみなさんと共有するために定期的にセミナーを開催し、毎月10のよげんを発表しています。

本ブログでは、2020年9月に発表した10のよげんの中の5つをセミナーでお話した内容のサマリとともにお届けします。

目次

2020年9月号のよげん:後編

健全な精神は健全な肉体に宿らなくなる

健全な精神は健全な肉体に宿らなくなる

ユニセフの先進国38カ国調査によると、日本の子どもの幸福度は38カ国中20位となっています。評価項目別に見ると、身体的健康は1位であるにも関わらず、精神的幸福度はなんと37位。スキルは27位となります。日本の子どもは身体的には非常に健康ではあるが、精神的な幸福度がとても低いという結果が出ています。

さらに同調査の精神的幸福度の評価項目を細かく見てみます。15歳時点で生活満足度の高い子どもの割合(2018年)は、38カ国平均が75.7%、最上位のオランダは89.8%。日本は62.2%です。15歳~19歳の若者の自殺率(10万人あたりの自殺者数、2013年~2015年の3年間の平均)は、38カ国平均で6.5人。最も少ないギリシャは1.4人。日本は7.5人となっています。スキルの評価項目です。PISAテストの読解力・数学分野で基礎的習熟度に達している15歳の生徒の割合(2018年)は、平均が62.3%。最上位のエストニアは78.9%。日本は72.9%です。「すぐに友達ができる」と答えた15歳の生徒の割合(2018年)は、38カ国平均で75.5%。最上位のルーマニアは82.7%。日本は69.1%でした。

身体的には健康で、学問の習熟度も高い日本の子どもたちです。精神的幸福度をケアできる教育を充実させることが必要だと考えます。

大企業の「B Corp」取得が増える

大企業の「B Corp」取得が増える

B Corpの取得を目指す日本企業が増えてきました。B Corpは以下のような認証制度です。

  • B corpとは、サステナブルな「良い会社」に与えられる認証
  • アメリカの非営利団体B Lab (2006年設立)が営利企業に対して認証する制度。
  • B corp認証を得られれば、透明性・説明責任・持続可能性・社会と環境へのパフォーマンスの分野でB Labの厳しい評価基準を満たしている企業だと証明される。
  • B corpのBは「Benefit(利益)」を意味している。
  • B corp認証を受けた企業は、株主の利益だけではなく、従業員、消費者、地域社会、環境に対して包括的な利益を生むビジネス活動を行っている。2006年から始まったB corp認証を取得した企業は、2020年7月現在、世界71カ国、150業種、3,393社ある。

2020年6月には、日本の食品業界ではじめて「ダノンジャパン」がB Corpの認証を取得しました。社会や環境に配慮した事業活動を行っている事実を具体的に証明する企業が増えることが伺えます。

混雑に嫌悪感が広がる

混雑に嫌悪感が広がる

2020年5月にクロスロケーションズ(東京・渋谷)は、首都圏1都3県、大阪府、愛知県のスーパー277店舗を無作為に抽出し、来客が増えたスーパーと減ったスーパーそれぞれの商圏住民計2191人にアンケート調査を行いました。その結果、来店客が減った商圏の住民に複数回答で選ばない理由を尋ねたところ、26%が「店内が混雑している」と回答しました。次点で「家から遠い」「人通りが多い」が続きました。今までは人気店・繁盛店にほど人が集まるのが通常でしたが、「混雑」が来店客減の一番の理由となったことに変化を感じます。

世界で世界で最初に新型コロナウイルスの感染の拡大が始まった中国・武漢で、8月15日に開催され若者が殺到したプールでのイベントについて、中国外務省は「中国政府の対策の勝利だ」と強調しましたが、若者が密集するそのイベントの写真に「嫌悪感」を感じる人が多く見られました。ニューノーマルな環境では、人々は混雑する状況に無意識に嫌悪感を感じてしまう。そういう前提を持ってマーケティング企画を立てる必要が出てきたことを感じさせます。

日本の情弱ぶりが明るみに出る

日本の情弱ぶりが明るみに出る

コロナ禍における政府や企業、経済に関わる日本の対応・対策を世界と比較することにより、日本の「情報弱者ぶり」が明るみに出てしまいました。世界経済フォーラム、ポートュランス研究所の調査によると、「IT競争力ランキング」の2019年の結果は日本は世界12位。国連の調査による「電子政府ランキング」の2020年の結果では、日本は世界14位。世界銀行の調査による「ビジネス環境ランキング」の2020年の絵かでは、日本は世界29位に沈みます。

その低迷ぶりのひとつの指標として、「企業のIT投資」(OEDCの発表データ)の結果を引用します。2000年のIT投資額を100とした場合、2017年にフランスは200弱、アメリカは150強と投資額を増やす中、日本は80と投資額が2割減となりました。世界的に、また日本でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が叫ばれていますが、日本が情弱な状況を脱するためには、今まで以上のより積極的なITへの投資が必要になります。

テレワークが境界線を破壊する

テレワークが境界線を破壊する

ニューノーマルな環境の中で浸透が進む「テレワーク」によって、オフィス不要論が広がり会社というリアルな場の役割が減少しています。加えて、成果主義が普及し勤務時間の自由度が上がります。自分の時間を自由に使い、成果さえ上げたらよくなると、複数の仕事を手掛けやすくなり、働く個人が一つの会社に縛られた従来のような「正社員」である必要がなくなっていきます。副業が可能になったり、個々の社員が、よりフリーランス的になり、複数の会社や個人と契約して兼業的に働くようなケースが増えてくる。テレワークの浸透は、こうした働き方に大きな変化をもたらします。

アメリカでは2017年に副業を含むフリーランスが5730万人すでに存在し、この数は年を追うごとに増え、2027年には正規雇用者の数を上回ると予測がされています。働き方の変化はビジネスのスタイルの変化も促します。これまでは正社員で行ってきた仕事が、必要なスキルを持った人材を社内外問わずにオンデマンドに集めて行うプロジェクト型の推進に変わっていくことが予想されます。COVID-19よって加速したテレワークは、会社や組織・ビジネスの境界線を破壊することになります。

2020年9月号のよげんから考える提言

したくても、出来なかったことをやろう

コロナ禍により様々な気づきがありました。ある意味、多くのしたくても出来なかったことを実行するための背中を押してくれたという側面もあります。まだまだ、したくても出来ないことは沢山あるはずです。だから、したくても、出来なかったことをやろう。

 

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この記事を書いた人

株式会社ドゥ・ハウス 執行役員 聞く技術研究所 マネジャ

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