Photo by Ignacio Palomo Duarte
チャンス発見に役立つ定性データ
マーケティングに活用されるデータには、「定量データ」と「定性データ」の2つがあります。 市場の全体傾向を把握するのに適した「定量データ」は、仮説検証や意思決定をするときに役立ちます。対して「定性データ」は、1つの事象を深く掘り下げること(=観察)に適しています。消費者の小さな変化や商品の意外な使われ方など、新商品開発や商品リニューアルのチャンスを発見したいときに役立ちます。 定性データはこれまで、アンケートの自由回答欄やインタビュー調査などから取得されていましたが、近年、ブログやクチコミサイト、ソーシャルメディアなどの登場により、ネットを活用することで、より大量に、手軽に取得できるようになりました。と同時に、それら定性データをどのように活用したら良いのか?という悩みも多く聞かれるようになりました。 ドゥ・ハウスの、定性データを活用した新商品開発支援サービスの1つに「解体親書」があります。ヒット商品を解体し、消費者視点で分析を行ってヒットを支える要因やキーワードを見つけ出し、それをヒントに新商品アイデアの発想まで行います。 今回は、その解体親書の流れに沿って、新商品開発のための定性データの扱い方を紹介します。0.発想力を刺激するテキスト(言語)データ
定性データは、数値以外のデータを指します。つまり、テキスト(言語)、画像、音声などは全て定性データということになりますが、ここで扱うのはテキストとします。テキストは、画像や映像に比べて情報量が少ないものの、それゆえに、最も主体的に想像力を駆使し、自分の言葉で理解を補いながら読み解くという点で発想力の刺激に役立ちます。1.定性データ収集のポイント
定量データを集める際、質問の順番や選択肢の作成などにポイントがあるように、定性データを集めるときにもポイントがあります。 ポイント① 「事実」を収集する はじめに質問を1つ。 ここに、食品Aに関する3つのデータがあります。マーケティングデータとして採用するのは、どのデータでしょうか?- 暑い日の朝食、いつもはヨーグルトドリンクで済ませてしまうけど、今日はAを混ぜて食べたら、ヨーグルトの酸味とAの甘味が合って美味しく、栄養もとれた。
- Aは、栄養が偏りがちなダイエット中の女性に受けそう。
- Aは、適度な酸味のある食材と合わせて食べるべきだ。

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