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マーケティングに関わる言葉で「真実の瞬間(Moment of truth)」というものがあります。「消費行動における重要な顧客接点」のことを指しています。
マーケティング・テクノロジーの進化に伴い、生活者と企業の「接点」が変わったり、増えたりするにつれ、「真実の瞬間」は再定義されて、マーケティング活動に活かされてきました。近年ではGoogleがネット時代の消費行動を表す概念として「ZMOT(Zero Moment of truth)」を提言し、注目を浴びました。
ドゥ・ハウスでは、生活者と商品の購買時における接点「FMOT(First Moment of truth)」に着目し、店頭に並んでいる商品を見て、手に取り、購買を決定しカゴに入れるまでの3秒間の行動と思考の観察を続けています。過去に行った調査のバックナンバーから、購買決定の瞬間の動機を明らかにするための調査結果を紹介していきます。
今回はときおり無性に食べたくなる「ふりかけ・お茶漬け売場」での真の購買動機3秒間を紹介します。
■店外から購買決定までの、購買意図の変遷
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ふりかけの購買行動の特徴は、67%が計画購買であるという点です。特に子どもがいる家庭では常備品として欠かせないものになっていることが、計画購買の高さの背景になっています。ただ、その調理の手軽さから、売場で購入を決める約3割の非計画購買層も見逃せません。
次に購買決定の理由を、トライアル購買者とリピート購入者別に見てみます。
■ふりかけ・お茶漬け売場での購買決定理由
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購買決定の理由は「自分・家族の好み」が1位で、21%を占めています。ふりかけも嗜好品的に好みで選ばれていることがわかります。2位は、「メニュー想起」で約9%を占めますが、それが3位の「特売」をわずかに上回っている。ふりかけは、特売以上にメニューを想起させることが、購買に結びついているといえます。
トライアル、リピート別にみると、それはさらに特徴的で、トライアルでは「メニュー想起」は3位だけれど、「特売」は9位と下がっています。そして、リピートでも「メニュー想起」は3位ですが、「特売」は2位。他の商品カテゴリーでは、特売で商品をトライアルし、気に入ったらリピートする、という順番を取っていました。
けれども、ふりかけでは、トライアル促進には、「特売」はあまり効かず、それよりは、「おにぎりにまぶす」というようにメニューを思い出したり、「パッケージ」を見たり、「自分・家族の健康」という動機が購買の後押しをしています。
メニューやシーンを思い出すことが購買の大きな後押しになっているから、ふりかけやお茶漬けの動機を喚起するには、「ご飯を食べてもらえて嬉しい」という主婦の気持ちに呼びかけるのがいい訴求になります。
■調査概要
この調査は、ドゥ・ハウスのフィールドマーケターズ・ネットワークである主婦の「DOさん」に対して行なった。E‐メールで質問票を送付し、2004年10月29日から2004年11月15日の調査期間中にふりかけ・お茶漬けを購入したDOさんに購買動機について回答をもとめたところ、54件の回答を得た。回答者の平均年齢は41歳。
■お問い合わせお待ちしています
ドゥ・ハウスでは過去に50件を超える売場での購買動機の調査を行っています。本調査のデータの詳細や、その他の売場でのデータをご覧になりたい方はお気軽にお問合せください。