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マーケティングの基礎知識

定性情報処理の基本リテラシー

さて、前回の「マーケティングモデルは、数式モデル」で商品のトライアル要因やリピート要因について触れました。ではその「商品力」を強くするにはどうしたらいいのでしょうか。
少し前に立ち戻りますが、商品は決して「ハード」ではなく「ソフト」であって、消費者は「ソフト価値」すなわち「生活価値」を求めて商品を購入していると書きました。つまり、その「生活価値」が豊富であればあるほど「商品力」は強くなり、貧弱であると「商品力」は弱まります。目新しさで購入したり、やたらと安いから、キャンペーンで購入した商品をリピートしない理由は「商品力」が貧弱だったという理由がほとんどじゃないでしょうか?思ったより美味しくなかった、使い勝手が悪かったなど私にも思い当たる商品がいくつかあります。
では、どうしたら「生活価値」が豊富な強い「商品力」を持った商品ができるのでしょうか?
消費者のご意見を多く集めればいいのでしょうか?いいえ、集めるのは生活者の事実、しかもポジティブでほめ言葉です。ネガティブが「商品力」を強くしないことは想像がつくと思います。
では「意見」が役に立たないのはなぜでしょうか?下の図のように、意見とは「事実」とその意見を言った人の「仮説」が入り混じったものです。言葉にすると「価値」にはつながらないことが分かります。
例えば、
【事実】・・・暑い日の朝食、いつも飲むヨーグルトで済ましてしまうAさんが『フルーツグラノーラ』を入れて食べたら、ヨーグルトの酸味とグラノーラの甘みがよく合い栄養ある朝食となった。
【仮説】・・・暑い日の朝食は、酸味と甘味を一緒に摂るとさっぱりとして食欲の無い朝から栄養を摂ることができる。
【意見】・・・『フルーツグラノーラ』は酸味のある食材と合わせて食べるべきだ。

ちょっと飛躍をしてしまっていますが、こうしてみると「事実」には生活価値が豊富に表現されているのに対して、意見になると「生活」が見えなくなってきています。自分の生活と共感できる部分も減り、ただの押し付けのようにも思えてしまうはずです。
だから「ポジティブ」な「事実」が重要なのです。

「キタンの無いご意見をお寄せください」などと言ってしまうと大変なことになります。
通常、グループインタビューでもアンケートでもよいのですが、普通はネガティブな意見が多く出てきます。さらに、その商品のことを使いこなしていない人のほうがその傾向は強いです。ご友人やご家族にぜひ試してみてください。きっとネガティブな意見がポジティブを圧倒するでしょう。
その商品をよく使いこなしている人のネガティブは「改善情報」として必要ですが、「商品力」を強めるなど商品のチャンスを発見するデータとしてはやはりポジティブな事実なのです。
簡単に言ってしまえば「いいとこ探し」がとても重要であることを覚えておいてください。


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