ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.10.04
マーケタープロフィール

vol.11[01]

 新市場機会発見型の製品開発

今回は、発売以降、24年間、快進撃を続けている「カラムーチョ」について、お聞きしました。
激辛ブームの先駆けとなった商品はどのように生まれたのか、ご覧ください。

Pick Up!

カラムーチョ

メキシコ料理流行に着目

-カラムーチョは発売後21年になりますね。今日はロングセラーの秘密にぜひ迫ってみたいのですが、湖池屋のウェブサイトにも「湖池屋では、ユニークで独創性の高い商品を開発し、ロングセラーに育ててまいりました」と書かれています。ここで、ロングセラーは「育てる」という観点が共感するところなので、商品育成マーケティングの考え方をお聞きしたいと思っています。カラムーチョの発売は84年ですか。

深井:そうですね。84年です。

-21年経っている相当長い商品ですが、まずカラムーチョの開発背景みたいなものを教えていただけますでしょうか。

深井:私は開発当初から携わっていたわけではないのですが、当時の開発担当者が米国を訪れた際、米国ではメキシコ料理が流行しているのに目をつけメキシコ料理特有のチリ味が受けるのではとひらめいて開発をしたそうです。カラムーチョの開発では当時50種類をいわれる唐辛子のうちから日本人の好みに合うものを探しました。また辛味を出すといっても単に唐辛子を使えば良いというものではなく同時にチリ味に合うスパイスも探しました。結局カラムーチョ用に開発した辛味は70種類を超えていたそうです。

新商品で市場開拓

深井氏

-当時、競合製品はなかったのですか。

深井:なかったです。当時こういう辛いスナック菓子というのは全くなかったものですから、カラムーチョが発売されても、当初お取引先様は難色を示したと聞いています。やはりこんなに辛いものは売れないのではないかというのが、お取引先様の反応です。カラムーチョの売上げが伸びた後は他社からの追随商品は発売されました。

-それは流通側ですか。

深井:消費者というよりは、流通側の反応ですね。

-販路はスーパーですか。

深井:一部のスーパーとコンビニエンスストアのみでした。

-それはどうしてでしょうか。

深井:やはり奇抜だったということでしょうか。今までないものを、ということではないでしょうか。

-商品開発に当って調査は実施しますか?

深井:調査は行っております。試作は社内で基本的に行ないますが、その後に、調査もやっておりまして、実際に消費者の調査にも昔からかなり力を入れてやっております。

-カラムーチョの発売前にも行なったのですか。

深井:そうですね。

-消費者の受容性もありそうだったということですか。

深井:そうです。カラムーチョという商品は非常に辛くてニッチな商品ですけれど、調査していく段階で、こういったものが好きだという人がいました。万人には受けないかもしれないけれど、やはりこういう商品がおいしいと思ってくれる人がいたという調査結果が出たと聞いております。

「おやつ」というオケージョン

深井氏

-当時はどういう層をターゲットにしていましたか。

深井:刺激的な味をいうこともあり、若年層をターゲットとしていました。

-こういう子達は、カラムーチョをいつ食べるんですか。

深井:やはりおやつ。今の時代は、なかなかおやつの決められた時間というのがなく、昔に比べておやつの時間というのはかなり希薄になっていると思います。しかし、20年前当時は、現在よりも3時におやつという食シーンが確立していたと思います

-好きだと言っている層もやはり若い子達でしたか。

深井:発売当初はそうでした。

-製品名がすごくユニークだと思いますが、これはどういうところから発想されたのですか。

深井:ムーチョには「もっと」という意味があります。スペイン語で「もっと」という意味です。もっと辛いものをということでカラムーチョという名前がついています。ポリンキーとかドンタコスとか、なかなかユニークな名前が多いと思いますが、とにかく覚えやすくて、何か楽しそうな表現のものということで、ネーミングには気をつけています。その中で生まれたのがカラムーチョです。

-最初聞いたときに立ち止まるようなネーミングですね。

深井:そうですね。ネーミングについては耳に残る名前を大切にしていますので、そういったものはどの商品についても注意しております。

-「ポテトが辛くてなぜおいしい」というのは、当初からですか。

深井:当初からずっとです。先ほどもお話したとおり、当時ポテトチップスで辛い商品というのはなかったので、そういった意味ではこのキャッチコピーは新鮮であったと思います。

-御社の製品開発としては、新市場といいますか、誰もいないところでやっていこうよということで始めているわけですか。

深井:全てではありませんが、他社との差別化は非常に重要であると考えています。

-ポテトチップスを最初にやられていたということですが、当時、業界的にはどういうポジションだったのですか。

深井:ポテトチップスの国内量産化という意味では、弊社が一番初めでした。

-新市場でカラムーチョというのを出されて、最初は流通の反応がよくなかったけれども、コンビニエンスストアが取り扱っててくれた。その導入期はどうだったのでしょうか。当時、販売促進ということでは、CMにもかなり力を入れたのでしょうか。

深井:先ほどもご説明した通り発売当初はお取引先様も難色を示していましたが、じわじわと売れつづけやがてスーパーマーケットにも並ぶようになりました。ターゲットについても若年層だけではないという観点から、キャラクター(ヒーおばあちゃん)やかわいい女の子を使ったTVCMを放映し話題となり、飛躍的に売上げを伸ばしました。



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