ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.09.20
マーケタープロフィール

vol.10[03]

 ロングセラーの秘密

40年に及ぶロングセラー商品の担当者は、ロングセラーの理由をどのように捉えているでしょうか。今回は、森さんに長い製品ライフサイクルを持ちこたえている原動力をお聞きしました。

Pick Up!

ガーナミルクチョコレート

ビターへのチャレンジ

-再び成長期に入ることができている、その間、今ふり返ると、成熟期の時期にいろいろな努力をされてきたと思いますが、ガーナのラインの展開はどのようにされてきたのですか。

森:ビター系は、何度かチャレンジしています。発売当初も、セミスイートという商品を発売していたのですが、やはりミルク系のチョコレートの方が販売的には大きかったです。その後も何度か挑戦はしています。その他には、オイルショックや物価の変動などで、大きさや価格を変えて展開しました。

-ガーナチョコレートという意味では、基本的にはミルクチョコレートとブラックですか。

森:はい。あとは形状を変えたものですとか、最近ではガーナクリスプスティックというチョコ菓子なども展開しています。

-これは新しいカテゴリーに入るのですか。

森:そうです。発売から成熟期は、いろいろなシーンで食べてもらいたいということで、スティック形状にしたり、小さな粒状のものにしたり、そういう展開は行なっていました。結局はなかなか根付かず、消えていったものもあります。

-ガーナチョコレートという意味では、頑固にといいますか、2つのラインナップで通してきていらっしゃるんですね。

森:はい。一遍にラインを広げるというのではなく、ガーナミルクを基本に、もう1品ビター系をと考えて、セミスイートという名前やマイルドカカオという名前などで何度もチャレンジしてきました。3年ほど前に「ガーナブラック」という名前で出した商品は、ビター系の流行もあり、現在定着しつつあります。

-これはビター系の新しい挑戦なんですね。

森:そんなに挑戦ということでもないのですが、ビター系への展開ということです。これはガーナ産のカカオ豆だけで作ったブラックチョコレートになっていますので、ブラックの中でも、比較的スッキリ食べられる品質に仕上げています。

ロングセラーの秘密

森氏

-新しい使いこなしというのは、ユーザーを発見して、成長期を迎えているわけですが、長寿の秘密は何だと思われますか。

森:ガーナに関しては、ヘビーユーザーに支えられている部分が大きいと思います。「昔からガーナチョコレートが一番好きで、ずっと食べ続けていますよ」というお便りをよくいただきます。そういったお客様は、わずかな品質リフレッシュを行ったときでも反応は早く「おいしくなった」とか「前の方がよかった」などの感想をよせてくれます。味の変化が、すぐ舌で感じられるようです。

-それはどういうプロフィールの方ですか。

森:いろいろな方がいらっしゃいます。調査などでお呼びしてお話を聞くことがありますが、10代から40代くらいでしょうか。その方達は、甘さと口の中でわーっと広がるガーナ独特の味わい、なめらかでまろやかな感じが一番好きだとおっしゃってくださいます。

-やはり女性ですか。

森:女性が多いですね。

-ヘビーユーザーの方は、だいたいどのくらいの頻度で食べているのですか。

森:人それぞれですが、私どもは、月2回以上購入している方をヘビーユーザーと捉えており、「常に冷蔵庫に入れておきますよ」という方も多くいらっしゃるようです。どちらかというと30代~50代の方が多く、発売当初からご愛用いただいている方が多いのかなと感じます。お客様のお便りを見ていると、親子で一緒に味わっていただいていると感じる事も多いです。例えば「うちのおかあさんがよく買ってきて、自分も食べたらおいしかった」など。あと、バレンタインデーのときに、主婦の方は、スーパーなど近場のお店で既存のチョコレートを買われる方も多いようです。「主人がガーナ好きなので、ゴディバなどの高級チョコを買わなくても喜んでくれます。安く済むし、とってもおいしいのでうれしい」というような声も聞きます。本当にこの味を好んでくださっているようです。

-二世代間ということですか。

森:初めてガーナと接したのはどういうときかとお聞きしたときに「おかあさんからもらった」という答えが最も多く、「それから私はガーナが好き」と言ってくださるようです。他社さんでも、本当にそれが多くて、例えば明治さんのチョコも、おばあさんの時代からずっと明治チョコレートが家にはあったから、明治の味に慣れ親しんでいるとおっしゃる方もいらっしゃるくらいです。ロングセラーになればなるほど、母親から子供へと伝承されているようです。ガーナの場合、40年前の発売当初、よくガーナを食べてくださった、現在の50代以上の方々にとって、思い出深いチョコレートなので、それを子供達に与えるということが多々起こっているようです。

新世代への刷り込み

ガーナフォンデュ

森:ただ、ターゲットの部分は、大きな課題の1つと考えています。ガーナミルクチョコレートの場合、女性層が65%、男性層が35%くらいの割合で、特に30~40代のユーザーが大きく、逆に言うと、10代、20代があまり大きくない。今後長くブランドを売り続けていくためには、この10代、20代をさらに獲得しておかなければならないと考えています。その対策として、現在行なっているのは、1つには10代、20代に向けた味の商品を発売するということ。また2つめに、現行のガーナを10代、20代向けにどういう風に展開していくかということ。ヨーロッパでは、果物などを、溶かしたチョコレートにつけて食べる「チョコレートフォンデュ」という食べ方が一般的に定着していますが、日本にはまだ定着していません。それを「ガーナフォンデュ」と呼び、様々なところで紹介して定着させていきたいと考えています。

-今の10代、20代向けの?

森:チョコレートは一人で食べるのもおいしいですが、みんなで食べて、楽しい思い出と一緒に味の刷り込みを行うことで、その人の中で非常に強烈な印象を残すことができるのではないかと考えています。店頭では果物売り場などでも紹介していますが、その他イベントなども活用しながら、若い世代に向けても紹介しています。その1つには幼稚園。幼稚園で、ガーナフォンデュを園児に食べてもらう。チョコレートというのはこんなに身体にいいんだよという話やお菓子を食べる前には手を洗おうねとか、そういうことも含めて活動をしています。園の方にチョコレートを送り、ガーナフォンデュを実施していただき、その写真を幼稚園新聞みたいな形で、全国の幼稚園に配布したり、お芋掘りをやった後に、芋をふかして、それをガーナフォンデュで食べようということを行なったりもしています。

-芋ですか。

森:結構おいしいんですよ。当初正式に始める前に、何件かの幼稚園に行かせてもらったのですが、おかあさま方にアンケートをとったところ「園で実施した後、家に帰ってもガーナを買ってきてガーナフォンデュをやった」と答えてくれた方が、アンケート実施数の半数もいました。ガーナフォンデュは、非常に簡単で、温めた牛乳にチョコレートを入れて溶かすだけなんです。それでもうソースができる。それにフルーツを切って、つけて食べるだけで、簡単に召し上がれ、パーティにもぴったりですよと案内したところ、こんなに手軽にできるならもっとやりたいなどのお話をいただきました。これは楽しい思い出とおいしさをすり込むには非常にいいのではないかと思っています。また、若い人達に向けては、クリスマスシーズンに、外食のメニューとしてガーナフォンデュを入れてもらいました。少しずつですが、実施規模も大きくなってきています。

-単にチョコレートを食べるということではなくて、使いこなしなんですね。

森:ヨーロッパの方、例えばスイスで言うと、年間1人当りのチョコレート消費量は、日本の6倍あります。生活の中に完全にチョコレートが入り込んでいて、食事としても摂られますし、デザートやおやつとしても食べられている。チョコレートを使うシーンが、今の日本の生活に比べると明らかに多いんですね。ヨーロッパの食べ方など、いろいろな形で紹介しながら、少しでも普及できれば、ガーナの販売量も、今後3~4倍に伸ばせるのではないかと考えています。具体的には、夏場にチョコソースを作ってアイスにかけて食べる方法、フランスなどではよくやっている、トーストの上にチョコを乗せて温めるだけの「パンオンガーナ」。このようなことも少しずつ展開しながら食シーンを広げていこうと思っています。こういうことで、喜ぶのがお子さんです。例えばパンにジャムを塗るのではなくてチョコを挟む、それだけでも非常に喜びます。このような楽しさと一緒に味を刷り込めたらいいなと思います。

その他、母の日にガーナミルクを送ろうということもやっていまして、コマーシャルや新聞でもかなり大きく展開しました。これは朝日新聞の日曜版ですが、広告面全てをガーナにしました。結構大きな評判がありました。多岐川由美さんとお嬢さんの華子さんがでている広告です。これは流通さんからもすごい反響で、大きくやったねと。実際に、お客様からも「息子からガーナのチョコをもらった、すごくうれしかった。自分の大好きなチョコレートをもらえて、こんなうれしいことを提案していただいて、ありがとうございました」と、お便りをいただきまして、実施してよかったなと思いました。

「赤つながり」で始めたことだったんですが、こういうことは長く続けることによって定着していくのかなと思いました。5月初旬から母の日が展開されますが、4月の100円ガーナの販売は、今までこの時期は落ち込みやすいシーズンだったのですが、バレンタインに続くほどの大きな山を作ることができました。



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