ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.09.13
マーケタープロフィール

vol.10[02]

 成熟期から成長期へ

成長期から成熟期は、通常の製品ライフサイクルですが、今回はその逆、成熟期から成長期へという流れを伺うことができました。

Pick Up!

ガーナミルクチョコレート

成長期から成熟期へ

-39年に発売されて、その後の成長プロセスは順調だったのですか。

森:発売した当初は、爆発的に売れて、昭和41年くらいがピークでした。それからだんだん販売が落ち込み、ある程度のところで安定していたのですが、ここ数年で一気に盛り返しました。

-年次の販売推移で見ると60年代から70年代にかけても大きな山と21世紀以降の山と2つあります。すっかり成熟期に入っていたのに再び成長期を迎えているようなものですね。二つ目の山の要因は何ですか?

森:盛り返すきっかけになったのは、平成13年に行った増量です。今までチョコレートは、50グラム100円というのが、どのメーカーも定着していました。グラム2円。それが、デフレの影響で物が売れなくなってきた。物価がどんどん安くなっていっている中で、お客様の感覚に合わせた形で、価格据え置きで1.5倍の75グラムに変更したところ、販売も大きく伸ばすことができました。75グラムにしたことによって、チョコレートはただ食べるだけだったものが、手作りお菓子の素材やチョコレートフォンデュなど、いろいろと使い方が広がりました。メーカーからもそういった発信を行なった結果、チョコレートの良さがお客様に見直されました。

増量が使いこなし促進へ

森氏

-それは御社のマーケティングが成功したということなんですか。いろいろなものに使えるよねということを訴求していこうと、想定していらっしゃったのですか。

森:いえ、想定していませんでした。他社対抗で増量したというのが正直なところです。でも、結果的には成功でした。お客様からいただいた、ガーナを使ったアレンジ方法などを参考にしながら、手作りレシピを考え、商品パッケージやホームページに載せたり、ガーナフォンデュなどの他のアレンジ方法を紹介したりなど、様々な展開を行ない、それが広がる要因になりました。

-ということは、デフレが、今の成長を呼んでくれているのですか。

森:そうですね。ガーナミルクチョコレートについては、そういうことも言えるかもしれません。あのまま50グラム100円を守り続けていたら、ここまで大きく板チョコが見直されなかったのではないかと思っています。

-導入して、成長期がバンとあって、成熟期になったなという感じになり、それがもう一度成長期にいけた。40年くらいのブランドで。僕らがお聞きしているブランドで、ちょうど10年目くらいになっている商品というのは、10年前に生まれて、成熟して、このままいくと衰退になるかもしれないという危機感の中で、もう1回この成長カーブを描くにはどうしたらいいんだという壁をよくお聞きしています。そういう意味ではとてもいいカーブが生まれていますね。

森:チョコレート市場は、無垢のチョコレートが売れる時期と、チョコレート菓子が売れる時期と、入れ替わりで周期的にきているような感じがします。

-「むく」とは、純粋無垢の無垢ですか。

森:そうです。チョコ菓子が、焼き菓子との組み合わせでできていることに対して、チョコレートだけという意味で無垢チョコと呼ぶことがあります。平成12年頃に、フランやムースポッキーのようなチョコレート菓子が非常に大きく伸びましたが、その後縮小。チョコレート市場全体で見ると横ばいから微減傾向で、逆に板チョコレート市場がかなり大きく伸びてきました。板チョコ系が伸びているということは、「チョコの良さ」がお客様に受け入れられてきたのかなと思います。

ガーナのベネフィット

森氏

-他の使いこなしが利くというのはわかったのですが、もともとのガーナのミルクチョコレートの良さというのは何だと思いますか。

森:他のチョコレートとガーナとの違いというのは1つに、ブランドとして「ガーナ」という名前があることです。毎年定点的に調査を行なっていて、その中で「チョコレートといえば何を思い出しますか」という純粋想起を確認します。ガーナは純粋想起率として25%位あり、チョコの中ではナンバーワンになります。ということは、チョコレートといったときに固有名詞としてガーナが出てくることは、強みの1つだと思います。

-年代はどういう層ですか。

森:小学生から50代までの男女で取っています。

-初期の写真とか、ガーナのパッケージを見ると、固有の感じを呼び起こしますね。ものすごく特別なものという、ものすごく楽しみだったという記憶を。

森:基本的にはミルクチョコレート本来の味わいというのは、発売当初から大きく変えていません。もちろん、少しずつ改良しているので、全く同じではありませんが。ガーナの一番大きな特徴は、チョコレートの粒子サイズです。チョコレート自体はカカオ豆をローストして、それをすりつぶし、ココアバター、砂糖、ミルクなどを混ぜて作り上げます。その中で、カカオ豆や砂糖などを細かくすりつぶす、微粒化と呼ばれる工程があり、これがチョコレートの粒子サイズを決めます。アメリカのチョコレートなどは、口の中に入れるとザラザラとすることがあると思うのですが、あれは粒子サイズの大きなものが含まれているためです。ロッテのガーナミルクチョコレートの場合は、粒子サイズが均一に揃っていて、尚かつ粒子が非常に細かいのです。ですから、口に入れて溶かしたときに、なめらかさが実感できます。CMなどで「MGM(マイクログラインド)製法」というのを流していたと思いますが、それが粒子サイズを細かくする製法です。あともう1つの特徴として「ミルク感の強さ」があります。ガーナは、他社のチョコレートと比べても、最もミルク感を強く感じるものになっています。

-ミルク感とはどういうものですか。

森:食べたときに、ミルクっぽさを感じることを「ミルク感」という言葉で表現しています。単純にミルクの量が多ければミルク感が強いということではなく、カカオとミルクのバランスで、ミルク感は大きく変わってきます。甘みの問題もあると思いますし、粒子の問題も出てくると思います。粒子が粗くなると、どちらかというとあっさりした味わいになります。

-コクというのもあるんですね。

森:カカオとミルクのバランスと、粒子の細かさから、コクのあるなめらかな味わいになっています。粒子が細かい分、お口の中で長く風味を楽しめます。



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