ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.09.06
マーケタープロフィール

vol.10[01]

 品質とパッケージを差別化ポイントに後発参入

ガーナミルクチョコレートといえば、真っ赤なパッケージと口いっぱい広がる甘さを一緒に想起する人も多いのではないでしょうか。考えてみれば想起させる力もロングセラー商品ならではの強みかもしれません。今回は、発売から42年を数えるロングセラーの秘密に迫っていきます。

Pick Up!

ガーナミルクチョコレート

後発参入だったガーナ

森:ガーナミルクチョコレートは、昭和39年2月、ロッテとして初めてチョコレート事業に参入し、発売した商品です。

-ガーナミルクチョコレートというのが、正式な名称ですか。

森:そうです。当時はガム専業メーカーでした。総合菓子メーカーに脱皮するための1つのステップとして、チョコレートを開発し、発売にこぎ着けたのが経緯です。チョコレートの生産は、ご存じかもしれませんが、菓子の中の重工業と言われるくらいの大事業なんです。

-菓子の中の重工業?

森氏

森:はい。例えばクッキーやアメというのは、手作りでも作ることができるので、そんなに大きな設備がなくても、比較的容易に生産が可能ですが、チョコに関しては、原料のカカオ豆から始まって、チョコレートに至るまで、非常に大きな設備が必要になります。そのため参入がしづらい産業でした。当時、森永さんや明治さんという大手がある中で、チョコレート事業に参入していくというのは、周りから見ても「どうなんだろう」という声はかなりありました。また、製造設備や機械は入手できても、技術的な部分を得ることは簡単ではなく、非常に苦労したようです。そこで当時、ヨーロッパのチョコレート最高権威と言われるマックス・ブラックさんを招聘しました。その方の指導のもとに、ヨーロッパの水準と同レベル、それ以上のものを目指そうと、じっくり時間をかけて開発を行ないました。やっと発売にこぎつけたのが昭和39年2月で、関東地区と北海道地区で限定発売をし、その後量産体制を確立して、9月には全国で発売しました。

-当時チョコレートは年がら年中というものではなかったのですか。

森:今のように冷房の効いた店舗がほとんどない時代で、街のお菓子屋さんとかパン屋さんが一般的なお菓子の売り場でした。そのため、チョコレートの夏場の販売をやめているところが多かったようです。

-チョコレートは秋冬商品だったのですか。

森:夏場はお休みし、秋に、チョコレートのシーズンですよということで各社一斉に発売します。チョコレートを発売するにあたって、コマーシャル等も多く流しますが、このガーナミルクチョコレート発売時も、今はあまりないですが「5秒CM」というものを活用しました。プッププーというホルンの音が印象的なコマーシャルでスイスの味を前面に表現したものです。

-5秒CMということは、短めのものをたくさんやったということですか。

森:そうですね。非常に多く放送したと聞いています。

品質での差別化

-今、スイスの味という言葉が出てきましたが、フォロアーとして製品開発する上で、技術水準を本場のヨーロッパに照準したことが、他社との差別化になりますか。

森:そうですね。当時、日本で発売されていたチョコレートは、アメリカ的な味わいを持ったチョコレートが一般的でした。しかし、やはりチョコレートの本場はヨーロッパであり、スイスはミルクチョコレート発祥の地ですから、本場の味をそのまま持ち込むという意味を込めて、スイスの味と表現したのです。味の部分ではコクがあってなめらかな味わいが、ヨーロッパ的な味わいになると思います。

パッケージでの差別化

森氏

-オーソドックスなチョコレートというのは、ミルクチョコレートのことなんですか。

森:そうですね、一般的にそう言われています。最近はビターチョコレートも人気が出ていまして、かなり増えていますが、販売されているものの多くはミルクチョコレートです。他社との差別化という意味では、品質以外にパッケージデザインがあげられます。その当時も今もチョコレートというとセピア色をベースに作ったパッケージが多いんです。

-薄い黄色ですか?

森:濃い茶色です。そういうものが当時一般的でした。その中に、真っ赤なパッケージとして打ち出したのがガーナです。これが当時のデザインです。当時「チョコレートで赤」ということで「チョコレートらしくない」という声はかなりあったそうです。しかし、逆に赤という部分が他者との差別化になりました。

-「赤」で発表されたのは何か理由があったのですか。

森:はっきりしたことはわかりませんが、チョコレートの原料であるカカオ豆の原産地が暖かいところですので、そのイメージと、ガーナを作ったときの社員の情熱を表わした赤という話も聞いております。また「赤はおいしさを増す」とも言われているので、そういったことを感じていたのかもしれません。

-スイスの本場のチョコレートを学んで、ネーミングがガーナというのは?

森:チョコレートの基本となるカカオ豆として、ガーナ産のカカオ豆が世界で最高品質なんですね。そういったこだわりをもったカカオ豆を使っているという意味を込めて「ガーナ」という名前をつけました。現在もガーナ産のカカオ豆をメインに使って、この味を作り上げています。

-昨今、商品が店頭でも過剰で、消費者に気づいてもらうために、私どもへの調査の依頼の中でも、パッケージの持つ意味が、どんどん大きくなってきているという印象があります。最初からそれを意識されたという風にも見えますね。

森:そうですね。最近、色を使ったマーケティング活動を行うようになってから、特にそのすごさを感じています。ここ4年くらい「母の日に真っ赤なカーネーションと真っ赤なチョコレートを」ということで「母の日ガーナ」という展開を行なっています。また、クリスマスシーズンなどは「ガーナフォンデュ」というものも展開しています。イチゴとかバナナなどの果物売り場に、ガーナを置いておくと、パッケージの「赤」が店頭映えします。そういう視覚的な効果も含めて、赤を選択したというのはいい財産になっていると思います。



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