ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.08.09
マーケタープロフィール

vol.09[02]

 パルフェは新カテゴリーの提案

コンビニエンスストアに流通チャネルを選択して作られたパルフェはどのような考え方で作られた製品なのか、伺っていきましょう。

Pick Up!

ハーゲンダッツ バニラ

パルフェ=ちょっと贅沢なデザート

坂東:パルフェは、考え方としては、パフェはお店で食べる。そういうつかの間の贅沢みたいなところがあると思うのですが、お店に行けるシチュエーションというのは限られています。例えば仕事をしている方が疲れて帰ってきて、ちょっとした贅沢を楽しみたいと言われたときに、買いに行けるお店というのはコンビニエンスストアになりますね。そこで、今までは手に入らなかったようなちょっと贅沢なデザートを味わっていただくというのが、この商品のコンセプトというかポジショニングです。コンセプトは、アイスクリームとそれ以外の具材とかソースの組み合わせによるおいしさを味わっていただくということです。

-つかの間の贅沢みたいなものは、ハーゲンダッツ全般によく言われますよね。そういう意味で言うと、パルフェで新しく提供したいというのは、パフェのような、あるシチュエーションで、お店に行かなければいけないような物を、というのが加わっているということですか。

坂東:そうですね。アイスクリームをちょっと進化させたというか、もう少しデザート。アイスクリームもデザートなのですが、ケーキとか。今スイーツブームですが、そういった方にもう少し持っていくと。

-そうすると、パルフェは、デパ地下のスイーツみたいなものがライバルにあたるのですか。

染矢:ライバルというよりも、スイーツを買う人達にも、ハーゲンダッツをということです。デパ地下にあるようなスイーツという括りで考えると、ハーゲンダッツの場合はパルフェになるのかなと。奪い取るというよりも、スイーツ好きなお客さんを引き込もうという感じですね。

-これは出してどのくらいになるのですか。

染矢:ちょうど1年ですね。1年経って初めて、この5月に、戦略的に認知を上げていこうと、テレビコマーシャルを投入しました。現状売り場ではほぼ3品が並んでいます。ベリーベリーとキャラメルマキアート、和・クラシック(抹茶アズキ)です。

-この辺のアイテムを作るときには、グリーンティーとか、既存のアイスクリームフレーバーのヒントみたいなものから延長してできているのですか。

染矢:それは違います。1つの固まりのコンセプトからスタートして、結果的にグリーンティーを、味のバランスとして使ったということです。中のアイスありきではないよね。

坂東:そうですね。1つの味わいをイメージして、それを作っていくという。

染矢:その中で結果的にグリーンティーを使っています。

-1年経った反響はいかがですか。

染矢:税込みで399円ですよね。発売してすぐのときは、首都圏限定でスタートしたんですよ。発売したとたんに売れました。飛びつきましたね。

-それは、狙い通りのスイーツ好きの方ですか?

染矢:そうではなくて、トライアル商品が出て、新しい物好きな人。コンビニエンスストアさんのお客さんって、結構新しい物好きな人がいらっしゃるじゃないですか。特に首都圏なので、手前どものターゲットとしているF1層の女性の方も多いし、そういう方々も含めて、いろいろなお客さんに買っていただきました。1年目は、発売してすぐお客様に試していただけました。ただ、399円の商品が、100円の商品みたいに、バンバン1日10個も20個も売れるという世界ではないのですが、コマーシャルが終わってもう2ヶ月くらい経つ時間を考えると、結構いい状況を示しています。コマーシャルすることによって、コンビニエンスストアにこういう商品を置いているよと。要するにハーゲンダッツのイメージはミニカップなんですよ。売り場に行っても、「ハーゲンダッツのミニカップ、何か新しいのを出したのかな?」という感じで見られていて、パルフェはコマーシャルをするまでは、本当に興味のある方だけに頻繁に買っていただいていたと。コマーシャルすることによって、通常ハーゲンダッツのミニカップに興味があって、ミニカップをずっと買っていたお客さんの目にも止まった。こういうのも出しているじゃないかということで、コマーシャルが終わってからは、安定した売り上げを保っています。そういう意味ではパルフェというのは、カテゴリーとして、我々も定着できるのかなと。

-新しいカテゴリーとして?

染矢:新しいカテゴリーですね。

ハーゲンダッツ・ウォッチャー

染矢氏

染矢:色もすごくきれいで。これは反対に生産のところで苦労したところですよね。

-色合い?

染矢:そうですね。きれいな層にするというのはなかなかですね。手で詰めているわけではなく、一応工場生産なので。うちの顧客っていうのは結構厳しいんですよね。

-その顧客層というのは、どういうプロファイルの人達ですか。

染矢:一般に言われるのがF1層。18才~34才の方を、一応メインターゲットに置いています。ほぼそこのターゲットに向けた商品開発ですよね。

坂東:そうですね。実際にはもう少し年齢の高い方とか、男性の方も大勢いらっしゃるのですが、開発するときのメインのターゲットは、そのくらいの女性ということでやっています。年齢の高い方や男性はどちらかというとコンサバというか、新しい物に対するトライアル意欲が低い傾向があるので、まず最初は若い女性。F1にあたるような女性に食べていただくことを最初の目標にやっています。

-今、「厳しいんですよ」という言葉がありましたが、それはどういうところからわかるのですか。

染矢:品質に関してですね。ハーゲンダッツの商品というのは品質がよくて当たり前だとお客様は思っているんですよね。当然期待値もすごく高く、それがハーゲンダッツのユーザーさんの特徴といったらおかしいですけれど、そういう風に思われています。例えば味に関しても、自分のイメージする味と違ったら、「こういう風にしたらいいですよ。」というアドバイスのお電話をいただいたりします。本当に好きな方というのは、ハーゲンダッツの出す新商品をウォッチしておりまして、自分なりのハーゲンダッツ、あるべきハーゲンダッツというのがあるんですよ。

-それは、アドバイスとして出てくるんですか。

染矢:そうですよ。本当にありがたい話ですが、例えば「新商品を食べましたけど、もう少しこうだったらおいしいですよ。」というお電話があります。消費者の方から。本当にうれしいことです。

-ウォッチャーがいるんですね。

染矢:それはいらっしゃいますね。

-それはF1層にあたる方ですか。

坂東:いや、必ずしもそうとも限りません。意外と男性の方が手厳しかったり、ということがあります。男性の場合、こだわる方はこだわり度が強いじゃないですか。そこは必ずしも一般層ということはないです。

染矢:どちらにしろ、ありがたいお話なんだよね。

-品質がいいというのは第一に、味という点できますよね。

染矢:味というのもあるのですが、あとはブランドイメージですよね。それと、手前どものアイスクリームは、人工添加物を使っていないんですよね。全部天然由来のものを使用しております。それは、今はこういう時代なので、インターネット等で、皆さんご存じですし、その辺もだいぶ評価されています。あとは何だったっけ、うちで?

坂東:うちではキッチンフレンドリーと言っていますが、もともとの意味は、キッチンにあるようなもので作るということです。もちろんキッチンって、人によってあるものが違いますので、一概には言えませんが。でも、それくらい身近なもので作りましょうという考え方があります。

食べる瞬間の幸せ

染矢氏(右)、坂東氏(左)

-先ほど、味だけではなくてブランドイメージがあるよというお話がありましたが、ドゥ・ハウスで購買行動のデータを見ていると、ハーゲンダッツというのは、「自分へのご褒美に買う」という言葉がよく出てきます。そのフーレズが出る代表格の製品だと思います。それに関係すると思いますが、味がすごくいいということの他に、テレビコマーシャルなどで、贅沢感だったり、官能的なものに訴えたりとかしています。ハーゲンダッツの場合は、とてもおいしいよということの他に、もっと観念的、感覚的な価値の訴え方がありますよね。そこはどんな価値を訴求しているのですか。

坂東:言葉としてはハーゲンダッツモーメントという言葉があって、ハーゲンダッツを食べる瞬間の幸せ感みたいなものがあります。それは、基本はおいしさですけれども、そういう瞬間を訴求しています。それを具体的に言葉にできるかというと、非常に感覚的なものなので、その瞬間はそこだけに没頭できるみたいな、そういう世界観を伝えられるような宣伝にしています。それは昔から変わっていませんので、何となくは伝わってきているのではないかと思います。

-ハーゲンダッツモーメントとおっしゃいましたが、これが一番重視されている点になるのでしょうか。

坂東:そうですね。その製品を食べる体験価値みたいなところ。物そのものだけではなく。ショップがあって、ショップで食べていただくという体験価値から始まったブランドですので、そういうところは、ただ物を売っているというよりは、ハーゲンダッツを食べる経験とか瞬間とかその喜びを販売していく、売っているという姿勢でやってきています。

染矢:直接的なCMにしても、「おいしいですよ。」というのはないと思います。どんな商品でも、食べてもらうように誘導する、ハーゲンダッツを食べるときには、他の物を考えなくていいよ、ハーゲンダッツだけで充分ですよ、と訴えています。



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