ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.08.02
マーケタープロフィール

vol.09[01]

 バニラがロングセラーの定番

プレミアム・アイスクリームの定番であるハーゲンダッツは、ロングセラーを維持し続けるために、どのような努力をしているのでしょうか。まず、ロングセラーのアイテムを確認することから、インタビューをはじめました。

Pick Up!

ハーゲンダッツ バニラ

ハーゲンダッツ=バニラ

-ザ・マーケターは、10年以上続いているロングセラー製品の開発過程についてお伺いして、製品開発マーケティングの方法論に落とし込みたいと思っています。そこで、まず「バニラ」について聞かせてください。

染矢:ハーゲンダッツが日本にできて、ちょうど20年、正確には21年目です。青山のショップが一番初めのお店、それからショップ展開を始めてデパート、高級スーパー、コンビニエンスストア、量販店と拡大して、20年が過ぎ、21年目というのが会社の中の歴史です。その中で、ショップであれ、卸を通じて発売しているデパートであれ、量販であれ、コンビニエンスストアであれ、たぶんハーゲンダッツのラインナップの中では、常にバニラが一番売れています。

-現在でもそうですか。

染矢:現在でもそうです。新商品が出たときに、トライアルでバニラの2倍、3倍になる商品も一時的にはありますが、年間を調べるとやはりバニラが一番売れている商品です。ハーゲンダッツ=バニラですね。あと、クッキー&クリームとか、象徴的なフレーバーはありますが、実際売れているのはバニラです。10年と言っても実はバニラとストロベリー、クッキー&クリーム、グリーンティー、その4フレーバーが10年。最後のグリーンティーが、日本での初めての開発商品です。その4フレーバーで10年以上売っているのですが、その4品は、新商品を除くと、売れ筋のトップ5に必ず入ってくる。その中でもバニラがナンバー1ということになっています。

バニラをはじめ当社の商品の販促拡大についても慎重に行なってきました。我々は、お店から量販店さん、コンビニエンスストアさんに広げるときに、別に広げるのを渋ったわけではありません。理由はちゃんと品質が伴ってきてから拡大していこうということです。当然その品質の中には工場の生産体制の問題もありますが、ハーゲンダッツが一番おいしく食べられるような状況というのは、やはりショップなんですよね。ショップ並みに品質をきっちりキープしていこうと。それで、お店でまず販売していこうというのが第一だったわけです。

品質についてはすごく啓蒙活動をしています。例えば物流会社さんのトラックまで温度を測ったりとか。消費者に対しても、別に品質がいいですよという告知はしません。品質がいいですよという告知ほどインチキ臭い告知はありませんからね。ただ、必然的に、品質に関してずっと努力していましたので、結果的に消費者の方々が、品質がいいということを意識されていまして、直近の日経MJさんの品質ランキングでも、確かベスト10に入っていたと思います。だからバニラ、バニラというわけではなく、10年間何をやってきたかというと、やはり品質とブランドをきっちり確立しようということです。そのブランドの中で、バニラをずっと売るというのも1つのブランドだと思うんです。同じ物を同じ品質で、当然売り場からもなくならず、ずっと売っていこうというのも、1つのブランド戦略だと思います。

実際の店頭では、バニラばかり売っているのではなく、新商品のアイテムも結構多くなっています。やはりブランドという面では、新しい物を消費者に提供することにより、同時にブランドの価値を上げていこうという戦略で、たぶんこの10年間変わっていないと思います。バニラをフレーバーの中心に置いて、新商品を出していくということで、戦略は10年間、全く変わっていません。

製品ラインはフレーバーのバランス重視

染矢氏(右)、坂東氏(左)

-新商品を出すときの基準はありますか。こういう条件をクリアしなければいけないとか、またはめったやたら出すものなのかとか。

坂東:店頭に置いていただける数には限りがあり、販売が落ちてくると、どうしても入れていただけない所もありますので、それを考えて、この秋は何製品くらい必要、春は何製品くらい必要と、ある程度プランを立て、そうすると数はそれでおのずと決まってきます。何でも次々出すということではありません。全体のフレーバーのバランスを見ながら、この辺りのフレーバーがちょっと弱くなってきたから、こういうタイプのフレーバーを出そうとか、そういうことを考えながらやっています。

-フレーバーのバランスと、店頭に必要な数ということですか?

坂東:そうですね。必要というか、販売計画がありますので、何品くらいというのを考えます。そんなにやたらとありすぎても、買っていただくお客様がばらけてしまうということになりかねないので、適正な数を店頭で保てるようにということを考えながらやっています。

-ラインの数のコントロールは、大切だと思いますが、数の目安はありますか。

坂東:実際に置いていただける、置いていただけないはチェーンさんによって違いますので、一概には言えないです。

染矢:数というのはないですね。フレーバーのバランスですね。

坂東:例えば最近コーヒー系のフレーバーが弱くなってきたので、新たにコーヒー系のものをこの次に出したいとか、そういう考え方で出しています。必ず何品ということではありませんが、だいたいこのくらいは常にあるというのがあります。

新商品のコンビニ、継続のスーパー

染矢氏

-今一番重視されている販売チャンネルはどこになりますか。

坂東:コンビニエンスストアとスーパーが半々くらいで、どちらかを特に重視しているというのはないです。

-販売されている量も半々くらいですか。

染矢:ボリュームも半々くらいです。

-この2つのチャネルで製品アイテムは変えていますか。

染矢:変わるというよりも当然売り上げの構成を見ますと、新商品を発売したときには、当然コンビニエンスストアのお客さんは飛びつきますよね。コンビニエンスストアもスーパーも両方一緒に発売はするのですが、一瞬の跳ね具合は、コンビニエンスストアさんの方がダーッと跳ねます。スーパーさんは、どちらかというとじわじわ。ただ、最近スーパーさんでも一部、コンビニエンスストアさん並みに新商品のサイクルが早いところは、ドーンと売ってドーンと引き上げるという売り方もあるのですが、基本的にうちの商品に限っては、どちらかと言ったらスーパーさんは、継続的に新商品もずっと売ろうというところです。

ただスーパーとコンビニエンスストアでは、売り場の大きさが違いますので、商品の改廃に関しましては、コンビニエンスストアさんの方が多いです。その分苦労しているのは事実ですが、売り場の大きさによるので仕方がないかなと思います。コンビニには、昨年、ハーゲンダッツのパルフェというのを出しました。このコンセプトは何だっけ?



Vol.09  - ハーゲンダッツ バニラ -  [01] [02] [03] [04]


TOP