ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.07.26
マーケタープロフィール

vol.08[04]

 焼肉メニューの活性化

「黄金の味」が思わずぶつかった壁と、ロングセラー商品の必須課題と言ってもいい成熟期を乗り越えるためのブランド活性化策をお聞きしました。

Pick Up!

黄金の味

トライアーへの視点

喜山:調味料は親から子へ引き継がれない。いわゆるお袋の味の範疇には入らないわけですね。

本田:そこで、われわれとしては、トライアーの促進が課題になってきているわけです。これは今までね、あまり考えずに済んできたことだから。その調味料を初めて買うとき、何が買う理由になっているかということですね。売場に行ってみると、分かるんです。たれは、みんな説明書きを見ます。底を眺めて、それから、絶対に振りますね。そうやってカゴに入れる。何がカゴに入れる理由になっているんだろう。それが分かれば、トライアル促進の課題に応えていけます。もう一回、初心に返ってそこをはっきりさせたいと思っています。それから、叙々苑というよく芸能人が行くような有名焼肉店が出している焼肉のたれがあります。店舗は関東だけで展開しているのに、たれは関西や他の地域でも売れているんですよ。「黄金の味」の場合はすでに高級品でもなく、スタンダードになっているところがあります。

喜山:たしかに購買行動のデータを見ていると、叙々苑はよく出てきますね。選び方にも遊びの要素が入ってきている気がします。

食べ方提案

本田氏

喜山:成熟期を活性化するのにどのようなことを考えていらっしゃいますか?

本田:ひとつはね、汎用性の訴求を行うことです。「たれ」は「使いきれないでいつまでも冷蔵庫に残っている」と言われたりするんです。

喜山:そうですね、購買行動のデータにもそれがネガティブ・データとして必ず上がってきます。

本田:そこで、昨年から料理教室で汎用メニューを紹介しています。これから料理を習う若い女性に伝えようと。例えばね、ぼくも知らなかったんだけど、刻んだトマトとたまねぎに「黄金の味」を混ぜるとね、サルサソースのようなソースができるんです。これが非常に美味しいんですよ。

喜山:たれのオケージョン開発ですね。

本田:それからもうひとつは食べ方提案です。少し前に野菜で焼肉を挟んで食べる食べ方が流行りましたね。その逆で、千切り野菜をね、たれに入れちゃって、それを焼肉で巻いて食べるのが韓国で流行っているんです。これを、今後紹介していこうと思っています。野菜もよく食べるようになるし、料理教室の先生にも評判がいいんです。そうやって考えると、やっぱり野菜はキーワードかもしれないですね。

喜山:焼肉は野菜料理という発見もありましたね。

本田:ぼくたちはあくまでも「たれ」は「生鮮を売るための商品」と位置づけています。誰も「たれ」を買おうと思っているわけではないですから。「たれ」が特売になっていても買おうとは思わないけれど、美味しい肉が特売になっていたら、じゃあ焼肉にしようかと考えて、たれを買うんでね。そういう意味ではやはり生鮮が大事なんです。

去年、気候の影響で野菜が高騰しましたね。あの時、「今年、浅漬けは駄目だな」と思いました。当然、浅漬けの売上は落ち、鍋物の調味料も落ちました。でね、それだけでなく焼肉のたれも落ちたんですよ。これも野菜の高騰の影響があったと思っています。それだけ生鮮から受ける影響は大きいんです。野菜だけでなく、BSEのとき「黄金の味」は落ちました。でも、豚肉が見直されたおかげで、もともとの「焼肉のたれ」は伸びたんです。豚肉に合う、という認識があったからです。

喜山:生鮮、とりわけ、野菜の影響力は大きいんですね。「浅漬け」などの野菜まわりのカテゴリーを始めたのもそういう背景を踏まえたことですか?

本田:「脱焼肉のたれ」という路線は早くからあったんです。やっぱり、焼肉で成り立っているということは、焼肉への依存度が大きくなるわけですから。ということは肉と命運を共にすることになりますね。それは怖い。だから、「脱焼肉のたれ」というのは、構成比を下げるという意味です。

近場でブランド拡張

本田氏

喜山:その他のブランド活性化策を教えてください。

本田:たとえば、会長は、新しい商品のCMをやって、焼肉のたれなんかはもういいんじゃないかと言ったりするんですが、たれの情報の定期的な発信、これはやっぱり外せないんですね。いまやメニューは食卓争奪戦になっています。食のレギュラー・メニューのなかに焼肉を常に入れておいてもらわないと、困るわけです。逆にわれわれがそれをやらなかったらどこがやるんだという話でもあります。今年は、思い切ってタレントも柳葉敏郎さんを起用しました。別の新商品では韓国の俳優を起用してね。そうしたらイメージが変るんですね。

喜山:エバラのですか?

本田:そうです。さわやかになるというのか、ちょっとおしゃれなイメージになるというか。「安心、なじみ、=(イコール)古臭い」の払拭です。

喜山:それは望ましいことですか?

本田:そうですよ。エバラといえばたれやさん、というのからそちらのほうにイメージを変えていきたいと思っていますから。調査結果にもそれが出てくるんですね。

喜山:ところで、「黄金の味」のラインは「甘口」、「中辛」、「辛口」の三種類ですか?

本田:そうです。これは変えません。ただ、今度「黄金の味」のシリーズで新しい商品の検討はしています。

喜山:ブランド拡張をするわけですか?

本田:今までもやったことはあるんです。胡麻、醤油、ぽん酢とかそういうもので。それらは色んなものを「黄金の味」に入れてしまって失敗していますけどね。今度は、もともとの「たれ」とそう遠くない近いカテゴリーで考えています。あまり遠いと差別化のしすぎになりかねないですから。

喜山:慎重になるポイントですよね。

本田:ただ、定期的にニュースを作るというか、話題づくりは欠かせないですね。そうでないと、商談にものらないし、どんどん埋もれていってしまうから。

喜山:ニュースづくりのための商品づくりという側面もあるんですね。

本田:ただ、大きくは商品力への回帰です。やっぱり商品力がしっかりしてないと、販売力や販促力が一過性のものになってしまいますから。




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