ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.06.21
マーケタープロフィール

vol.07[03]

 ブランドの活性化

特定保健用食品の先鞭をつけて成長したアミールSは、現在、踊り場に来ている、と安本さんは語ります。その踊り場からどう次のステップに進もうとしているのか、お聞きしてみましょう。

Pick Up!

アミールS

市場開拓の余地は大きい

喜山:現状はどう認識されていますか?

安本:「アミールS」=血圧への関心、ですが、その話題性が薄れてきました。当時、血圧が下がるというのはニュースで、みんなびっくりしたわけですが、今は慣れてきてしまっています。それから、「アミールS」の認知度は7割と高いんですが、飲んだことがあるかどうかのトライアル率は15%くらいだと思います。飲用経験者という意味で。

喜山:リピート率はいかがですか?

安本:いま飲んでいる人は全体の1~2%ですね。ただ、われわれが分らないのは、ある時期飲んでいて止めている人のことです。たとえば健康診断の前だけ飲んでいる人はわれわれから見たらユーザーになるのですが、そこは測定するのが難しいところです。

喜山:まず、認知はあるけれどトライアルに結びついていないということですか?

安本:アミール・ブランドの鮮度が落ちて関心が薄れているんだろうと思っています。ただ、血圧飲料では、No.1ですし、血圧が気になるという人は、4000万から5000万いるわけです。ですから、血圧自体に関心さえ持ってくれれば市場開拓の余地は多いと思っています。薬と違って飲料なので、気軽に始めて気軽に止められるのがいいところです。だから飲んでいたけど止めた人のことを考えてもあまり意味がないと思っています。そういう意味では、お客さんの声に素直に耳を傾けてやっていけば、少なくとも今いる人たちは離れていかないと考えています。

「~しづらい」の改善

安本氏

安本:現状を踏まえるとブランドの活性化が重要だと考えました。そこで、4月にリニューアルしました。まず、4月25日に「アミールS・120」を発売し、5月13日からはTVCMを行います。

喜山:まさに、このタイミングなのですね。リニューアルのポイントは何ですか?

安本:容量を160gから120gに減らしました。あわせて価格も190円から160円に下げています。

喜山:リニューアルの方向性を決める視点はどこに置いたのですか?

安本:評価で出てくる「~しづらい」という点を全部、改善しました。「重い」「かさばる」「冬はこんなに飲めない」という点についての回答です。「アミールS」は6本パックで買うことが多いですから、160gと120gでは結構、変わるのです。

喜山:いままでのアミールSは併売していくのですか?

安本:血圧に対する効果も同じですので切り換えました。同じコンセプトですから要らないわけです。

喜山:リニューアルについては、細心の注意が必要だと聞きます。変えていいところと変えていけないところを見極めるという点はいかがですか?

安本:そういう意味では、血圧に対しての効果は変えない、パッケージ・デザインも、ブランド・ロゴも変えませんし、緑の瓶の色も変えていません。「アミールS」のイメージはいいですし、それは大事な資産ですから、そういうブランド・アイデンティティは変えません。6本パックやケース買いが多いので、そういう方たちの「~しづらい」ということに対して、容量を変えることで応えました。

飲料とタブレットは別ライン

安本氏

安本:それからタブレットは5月16日に新商品が発売されます。

喜山:「アミールS」はタブレットも出ているんですね。ブランド拡張を行なったのはどうしてですか?

安本:飲料メーカーとして言うのも変ですが、飲料の限界を打破したいという思いがありました。血圧を対処しなくてはいけないと思っている人はたくさんいて、その方たちがみんな乳酸菌飲料で何とかしようと思っているわけではないですよね。そういう時に別の形態で対処できるものはないかと考えました。OTC(注1)もないですし。そうして手軽に飲めるサプリメントという形態に着目しました。新しい血圧対応の商品ですね。そこで、粉末にする技術開発を行なって2002年の10月にタブレットを出しています。これは、日に2粒飲むものなんですが、当時、厚生労働省に「過剰摂取したらどうするんだ」と心配されました。それで、2粒ずつを個包装にして12粒入りで出したんです。でも、「アミールS」は個人差はありますが、約2週間摂取し続けて効果が出ます。ですから、今回の30粒入り、15日分を最初から出したかったのです。

喜山:飲料のアミールSとタブレットのタイプは、補完の関係ですか?

安本:そこはまだ定量的に押えられていないのですが、併用している方とそうでない方がいます。併用している方はとても真面目な方で、「アミールS」の飲み忘れ防止にタブレットを飲んでいます。旅行とか行った時に飲み忘れを防止するのに、携帯しているというのです。鞄に入れておけば安心という感じです。もうひとつは、当初の狙い通り、サプリメントとして飲んでいるという方ですね。そういう意味では、補完ではないです。

喜山:別市場と捉えていくわけですか?

安本:別市場と考えています。飲料の方は、血圧を下げるためというだけではなく、ふだんの生活の中で食品として味を楽しみたいと思っている方です。タブレットは、そうではなく、「アミールS」の血圧調整作用を求める人ですね。求めるベネフィットが違うと思っています。

喜山:今回のブランド活性化にタブレットも大事な役割を担っているのですね。

安本:本体のリニューアル、新しい容器展開と、サプリメントとして有効成分を摂取したい方へのタブレットの展開で、新しくなったんだ、でもいいものは変らないねと受け止められるのが狙いで、認知度の高い「アミールS」に対するマインド・シェアを上げたいと思っています。

喜山:両方のチャネルは同じですか?

安本:飲料はドラッグストアがメインです。タブレットは、もっとドラッグストア中心です(笑)。

喜山:すると営業はどのように行なっていますか? 両方一緒にやるわけですか?

安本:それはもう、流通のバイイングのカテゴリー次第です。われわれは選べないですから。

喜山:商談はうまくいきましたか?

安本:狙ったところはスムーズに行きました。やっぱり流通としても「アミールS」自体は、血圧でNo.1、パイオニアということへの評価はしていただいているので、新しくすることによって、取り扱い率を上げてもらうことはできました。感触としては良く、「期待している」という声をいただいています。

喜山:いま非常に大事なタイミングなんですね。

安本:そうです。特保ですから簡単にはリニューアルできないですし。「アミールS」は、加齢とともに見込み客のエントリーは増えていきますから、このポテンシャルを活かして「アミールS」トータルのブランドを再び成長させたいと思っています。特保市場全体が踊り場にあるので、うまくいっているところはないですしみんな苦労していますしね。

注1:OTC 「オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ(Over The Counter Drug)」の略で、医師の処方せんがなくても、薬局等で購入できる一般用医薬品)のこと



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