ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.06.14
マーケタープロフィール

vol.07[02]

 成長から成熟へ

来月7日で9年目を迎えるアミールS。今回はその成長のプロセスについてお聞きしました。

Pick Up!

アミールS

酸味を落とす研究

喜山:発売後の反響はいかがでしたか?

安本:「すっぱい」という声が多かったですね。酸味がきつい、と。アミールSは続けて飲んでくださいとお願いしているわけですが、特に男性から「続けるのは厳しい」というご意見をいただきました。そこで味の見直しをしたのですが、発酵の条件を変えることで、血圧を下げる効果は変えずに酸味を落とすことができたのです。そこで、1999年12月に改めて特保を取り直して、リニューアルとして、2000年1月に「カルピス酸乳カロリーオフ」を発売しました。

喜山:「カロリーオフ」という表現で、味の訴求ではなかったのですか?

安本:基本は、味がすっぱいという評価に対して、効果を下げずに薄めて飲みやすくしたものです。ただ、すっぱさは相対的なもので表現しにくい点でもありますから、商品の表現としては「カロリーオフ」にしました。

急成長の要因

安本氏

安本:それから、2000年くらいから加速して、ぐぐっと高いカーブを描いて急成長しました。カロリーオフに変えてからですね。

喜山:急成長の要因は何ですか?

安本:ひとつは長嶋茂雄さんをCMに起用して知名度を上げたことです。「アミールS」は今までにない商品なので、CMの効果もあり、認知度が高くなりました。もうひとつは、ドラッグストアにチャネルを拡大できたことが大きかったと思います。当時のドラッグストアは、化粧品と薬品くらいしか置いていませんでした。そこで、営業マンが「特保コーナーを作りましょう」と提案しました。流通の方が納得してくれれば、そういう提案は他にないわけですから、売場づくりをカルピスの営業マンに頼むわけですね。すると当然、「アミールS」はいい場所、量を取れるわけです。これでインストア・シェア(IS)を確保して面の拡大ができました。

喜山:なるほど、チャネルを押えたのですね。

安本:それからやっぱり、飲みやすくなったということはあるでしょう。続けやすくなったのですね。それが三つ目です。四つ目は、初代の「アミールS」を飲みつづけてくれた人たちのクチコミがあったんです。血圧に対して実感が出てきて、「アミールS」っていいよ、と言ってくれる人が出てきました。初期には、店頭での試飲販売をやりましたしモニター・キャンペーンもやりました。その中でまじめに飲みつづけてくれた人たちがいて、それがボディブローのように効いてきたんです。

喜山:そういうコアな方たちの顧客像は?

安本:グループインタビューなんかをすると、「体にいい大人の『カルピス』だね」と言ってくれていました。味もいいし血圧も下がるし体にもいいし、これは手放せないとおっしゃってくれる方もいました。もともと「カルピス」が好きっていう方も多かったんですね。それとは別に、味としては嫌いじゃないし手軽に飲めるし、良いって言ってる以上は体にもいいんだろうねという感じで飲んでくれるライトな層もいました。

喜山:年代や男女比はどうでしょう?

安本:やっぱり血圧が気になる人たちなので、50~60代です。男女比はそうですね、男性の方が多くて、6:4というところではないでしょうか。血圧は男性のほうが早めに気になるんですね。

喜山:男性がクチコミをするというのはすごいことですね。

安本:いえいえ、やっぱり女性なんです。飲むのはご主人でも購入しているのは奥さんですから。ドラッグストアは男性が買いにいくところではないですし。男性は健康に対して感度が低いと思います。この年代の女性の健康への意識はすごいですよ。グループインタビューをしても、出てくる言葉が全く違いますから。奥さんが買ってご主人に飲みつづけさせるんですね。

喜山:女性のクチコミが飛躍の鍵になっていたんですね。

踊り場へ

安本氏

喜山:それでは製品のライフサイクルで言えば、成長期にあるということですか?

安本:売上としては2003年、2004年とここ数年は、苦戦しています。これは現在、特保商品全体に言えることではないかと思っています。たとえば、「アミールS」を飲んでいた人でも、血圧以外に血糖値にいいという商品が出ると、これ飲んでみようか、ということになりますね。健康は楽しく保つという傾向はありますから、みんな色々試すわけです。

喜山:ロングセラー化の困難を考えると、矢継ぎ早に出される新商品が分厚い皮膜を作って、良い商品が埋もれていくという構図を思い浮かべるのですが、「アミールS」といえども埋もれているということなんでしょうか。

安本:コアな人は残るんだけれど、浮動票、ライトユーザーが今さまよっているという感じがします。



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