ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.03.15
マーケタープロフィール

vol.04[02]

 ユーザー中心のデザイニグ

「製品企画、開発、サポート」の3機能がポジティブ・サイクルを描いたことがホームページ・ビルダーの強みであることを前回はお聞きしました。しかし、顧客の声を製品に活かす点は、「サポート」だけではない仕組みがありました。

Pick Up!

ホームページ・ビルダー

ユーザー中心のデザイニング

加藤:それから、今日の結論的な話になると思いますが、開発部門にとって重要なプロセスに「UCD」というものがあります。「User Centered Design」 です。

喜山:日本語で言うと?

加藤:ユーザー中心のデザイニング(設計)を目的とする評価プロセスです。毎年、秋に新製品を出すのですが、プロトタイプができる春から夏にかけて、外部の方、初心者の方ですとか逆に何年もビルダーを愛用していただいている方等、色々なレベルの人を招いて、マニュアルなしにプロトタイプで各機能を操作していただき、その動きを評価するんです。当然、どこでつまずいて、どこはスムーズに使えたかがわかりますよね。ビデオにも収めて、どこで手が止まってしまったのかとか、マウスを動かしたら、次は右クリックで出るようにしたくなる、とか、動きがつかめるのです。これを1日がかりで行います。手間はかかりますが、これを必ず年に1~2回以上は実施しています。

喜山:よくいうユーザビリティの精度をそこであげてらっしゃるのですね。

加藤:どれだけユーザー思いの製品になっているかを評価するということですね。それを毎回確実に実施しているのがとても重要です。

学校の先生は大切な顧客

加藤氏

加藤:そして製品が出たら、学校の先生にご説明するための学校を訪問することもありますよ。

喜山:先生? どうしてですか?

加藤:あ、ホームページ・ビルダーは、非常に多くの学校でお使いいただいているんですよ。用途は2つありまして、1つ目は、今や生徒がITを学ぶ「情報科」という科目での利用です。ホームページ作りは情報科で生徒に教える学習材料として非常に適しているため、多くの先生方が取り組んでいらっしゃるんです。すると、先生ご自身もホームページ・ビルダーを知る必要があるために、ご購入いただく前に説明をしにうかがうことがあるんです。ちなみに、教材として、紙の代わりにホームページを使うシーンも増えてきていますよ。たとえば、どこか社会見学に行くときに、Webに概要を上げておけば、印刷せずに済みますからね。学校自体の紹介もWebでするようになっていますから。もう1点は、学校のホームページです。これも先生方自身が作成するんです。今や学校ホームページは、学校と家庭をつなぐ重要なメディアになってきています。

喜山:言われてみれば、たしかに先生が使うシーンは多そうですね。

加藤:その先生の横のつながりで、ビルダーがクチコミで広がっていったそうです。隣町というか隣駅という意味で、線路沿いに伝わっていくそうです。98年頃から教育機関向けのプログラムをスタートしましたが、当時は、公立ですと学校でメールができる先生というだけでも貴重な存在で、そういった先生方がほんとうにクチコミしてくださったんですね。

幅広い顧客層

加藤氏

喜山:でも、顧客は先生だけというわけではないですよね? 95年の最初はきっと新しいもの好きのPCユーザーだったと想像するのですが。

加藤:そうですね。やっぱり趣味では大きいですね。実際に伸びたのは、99年頃からです。低価格のパソコンが出始めたとき、ありましたでしょう。

喜山:そういえば、当時、女性もインターネット人口が増えてメールも始めました。

加藤:そうです。インターネットって、必ず進度のステップがありますよね。ネットサーフィンに始まり、メールをして、さらに何かしたいと思ったらホームページづくり、なんです。そういう意味では、デジカメが普及したことが大きいですね。デジカメの写真がたまる。これを人に見せたいと思ったらホームページはぴったりなわけです。あとはブロードバンド環境。この2つは、市場拡大の後押しになっています。

そういえば、NHK教育の『趣味悠々』という番組でも2回、ホームページ作成のテーマの時に取り上げていただきまして、結構反響がありました。

喜山:『趣味悠々』?

加藤:アクティブなシニア層向けの番組ですよね。そこでホームページづくりを初歩から解説する内容で。実際にビルダーは70代といった高齢のユーザーさんもたくさんいらっしゃるんですよ。もちろんテーマは趣味ですね。

趣味という以外では、最近顕著なのが商店主の方です。自分のお店のホームページを作られますし、プロのクリエイターの方やエンジニアにも使っていただいていますよ。

喜山:初心者からテクニカルなユーザーまで?! ずいぶん顧客層が広いですね。

加藤:本当に驚くぐらい広いんですよ。ビルダーが初心者の方が入りやすいように、というセールストークはずっと言ってきました。でも、使い勝手がいいのは初心者でなくたってうれしいはずです。そこで最初から使い勝手にこだわってきた結果、PCソフトに対し評価の目の高いユーザーの心をつかんだのではと思っています。

それから、ビルダーは多機能です。多機能は初心者向きではない、と言われがちですが、実は初心者の方だってすごくセンスのあるページを作りたいという望みは高いはずであって、どのようにその機能を実現するかを優しいインターフェースで考えてあげればいいわけです。その考え方から、ホームページを作る誰もがほしいと思う機能を、UCDを通してインターフェースを確立しながら、ひとつひとつ追加していきました。その結果、どの層にも受け入れられた、ということなのではないかなあ、と思っています。戦略的にセグメントをターゲットして当たるほうがかっこいいのかもしれないし(笑)全部の層を獲得しようなんて思うのは八方美人的かもしれないけど、やはり多くの層に受け入れられるのはとてもうれしいことです。

喜山:そうすると、UCDも各顧客層を招いて行っているわけですね。

加藤:そうです。いろいろな層からのユーザーを集めて実施しています。

喜山:超初心者向けの目線というのは、お題目としてよくお聞きしますが、それが実際に出来ているかどうかは別の話だと思うんです。それがお話を伺っていると、自然にできている気がするんですが、それはどうしてなんでしょう?

加藤:うーん、自分たちではできていると思っていても超初心者ではないわけですから、その思い込みは危険ですよね。ですからやはりUCDのように、常に第三者の目で評価していくプロセスが重要なんじゃないかなと思います。




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