ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.02.22
マーケタープロフィール

vol.03[03]

 強いウォンツを持つオケージョンを発見する

「昆布ぽん酢」は、どのように市場に導入され、成長プロセスを歩むことができたのか。追ってみましょう。

Pick Up!

昆布ぽん酢

1年、待った

藤村:それで製品づくりは98年にできたのだけれど、その時は市場に出さなかったんですよ。待て、と。もっと旨くしろとトップから言われてね(苦笑)。「味ぽん」は巨大でしたから慎重だったんですね。調査会社の人から、あれだけ結果が良かったのに何で出さないんですか?って聞かれるくらいでした。でも結局、それがよかったんじゃないかと思ってます。さっきの「まろやかな昆布ぽん酢」というウォンツが発見できたとしても、ある程度それが顕在化しやすい段階じゃないと、あの「運時命数」でいう「時」を捉えられないことになるんですね。でも、開発マーケターって焦っちゃうんですよね、他社が出すんじゃないかって。

でも幸い「味ぽん」が強すぎるから、他社も手を出さないだろうと思えたので、一年、待てたんですよね。でもこの一年待てたということがすごくよかったと思います。

それで99年にやっと市場にデビューすることができました。開発のスタートから考えると4年かけたわけです。

今思うと、毎年毎年、ぽん酢の調査をやったのがよかったなと思います。

ホイル焼というオケージョンの発見

藤村氏

喜山:「昆布ぽん酢」は生まれてから5年経つわけですね。プロダクト・ライフ・サイクルで言えば、いまはどの段階ですか? 現在の商品は、導入期を越えられないものも多いわけですが。

藤村:まだ成長期に入ったばかりだと思いますよ。導入期には、CMも打ってメニュー提案もしました。CMの草薙君もとてもよかったし。おかげ様で順調に成長しています。

2000年かな。ある量販店のバイヤーさんから、夏場用の良いメニュー提案がなきゃダメだよって言われたのは。それでメニューを考えたんだけど、食MAPで夏場のぽん酢の使われ方を見てみると、第1位が冷奴で、次にサラダ、餃子と続きます。その中で第8位に「ホイル焼」ってあってね。それでなるほどと。当時、ホイル焼っていうとダイオキシンとかアルミを使うと問題だったので、それで紙(クッキングペーパー)でやるようにして、それで「包み焼」というメニュー提案したら好評で、また昆布ぽん酢のまろやかさもぴったりで、とてもよく売れたんです。短期間でしたがメニュー提案したチェーンのPOSデータでは「味ぽん」を抜くことも出来たし。それが大きな自信になったんです。

実は「昆布つゆ」でもそういうことはあったんですよ。「昆布つゆ」がヒットした理由のひとつに秋味ご飯という炊き込みご飯の提案をしたことがあるんです。炊き込みご飯に使うつゆの量なんてたかが知れているので、そんなメニュー提案はだめだって言う声もあったんですが、ただ、それを食MAPでみると、濃縮つゆを使ったときの炊き込みご飯の人気度がすごく高かったんです。人気度が取れるんですね、食MAPは。その食事を使ったときの家族の反応、良いか悪いかを人気度って言うんだけど、醤油とかみりんとか酒とかで味をつけた炊き込みご飯よりも、濃縮つゆを使ったときの人気度がはるかに高かったわけですよ。

喜山:強いウォンツを持つオケージョンを発見したわけですね。成長期「昆布ぽん酢」の課題は何ですか?

藤村:エリアということで言えば、まだ西が弱いですから、そこは課題です。

成長期でガンガン行きたいところですが、価格競争は嫌ですね。一回安く出してしまうと、お客さんは、なんだあの時安かったじゃないって思うじゃないですか。それに価値に価格があるわけですから、価格を下げれば価値も下がってしまう。それを考えると、フェア・プライスでやりたいですね。

喜山:商品の価値をきちんと顧客に伝えるにはそれは大切ですよね。お客様はやっぱり主婦ですか?

藤村:そうですね。特に50代の方は調味料をよく使うんですね。料理上手だということが基本にあるでしょうし、内食比率の高い世代だということもあるかもしれませんね。ただ、この世代の方は目も舌も肥えていますから、本当に良いものでないと伝わらないですね。

ぽん酢市場を大きくする

藤村氏

藤村:大切ということでいえば、新商品というときはやはり新しいカテゴリーを作りたいですね。既存カテゴリーで食い合いをやってもつまらないですから。そういう意味では、「昆布ぽん酢」が入ったことで「ぽん酢」市場自体が拡大していることは嬉しいことです。

たとえば、後発で入っていくとき、よく価格を安くして参入することありますよね。でも同じような商品で低価格にするということは味は相応のものになっちゃいますね。もしお客さんがそのおいしくないものを買って、その商品じゃなくてその料理そのものを嫌いになったらもう二度と、その料理をしようと思わなくなりますよね。それは食品マーケットにとってよくないと思いますから。

まぁ逆に、開発やっている人間としては真似っ子されると嬉しいですけどね。




Vol.03  - 昆布ぽん酢 -  [01] [02] [03] [04]


TOP