ザ・マーケター
このコンテンツはドゥ・ハウスが2004年12月から2005年10月までマーケターにインタビューし、HTMLメールで配信していたものです。一部、本文中の商品情報やご協力いただいた方々の情報については現在と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
2005.02.15
マーケタープロフィール

vol.03[02]

 顧客は変る

さて、「昆布ぽん酢」はチャンレジャーのポジションからどのように作られていったのか。改めて、藤村さんに伺っていきましょう。

Pick Up!

昆布ぽん酢

ガリバー市場のなかで

藤村:昆布ぽん酢の開発の話に戻りましょう。お話した通り、「味つけぽん酢」の市場は、「味ぽん」が圧倒的なシェアを占めていました。他社の競合製品も太刀打ちできなかった。鍋物専用の高級ぽん酢のポジションはあっても、普及品としては話にならなかったんです。

ただ、わたしたちにもテーブルユースの領域に行かないと、自社のしょうゆ関連調味料の売上は大きくならないという危機感はありました。

発売は99年ですけど、実は96年の秋から調査は開始していたんですね。当時は、「味ぽん」が「味つけぽん酢」の市場の約8割を占めていてガリバーだったんです。競合品とかね、みんな色々挑戦してるんです。明石家さんまの「幸せってなんだっけ」ってCMあったでしょう? あれでキッコーマンさんも確か87年に挑戦したんだけど、難しかったようです。あれだけ話題になったんだけど。それを見て、これはもう敵わないと思ったんです。それで各社ともぽん酢の高級化に走ったりしました。ですから、普及品としての「ぽん酢」と言えば、「味ぽん」に決まっていたんです。

ですからわたしも96年には、レギュラーなんだけど高果汁というコンセプトの試作品を作ってCLTとかやっても、全然評価につながらない。消費者の評価は「味ぽん」で圧倒的に「満足」と出るんですね。無意識にカゴに入れるものになっていたんです。だから、どうして「味ぽん」を選ぶんですかと聞いても、知らない間に入れている。いつも食べている。そういう回答で困りました。そういう環境だったんです。

喜山:文字通り、チャレンジャーのポジションでスタートすることになったんですね。どんな商品づくりだったんでしょう?

評価が動いた

藤村氏

藤村:96年の調査では、評価は圧倒的だったわけです。さて、どうしたものかという状況だったんですが、翌年も同じ調査をしたんです。そしたらその時、味ぽんの評価が10ポイント下がったんです。「醤油っぽい」という評価が出たんです。醤油メーカーとしては悲しいですが、「醤油っぽい」というワードはイコール美味しくないという意味なんですね。それでこれは去年と違うなと思ったんです。でもその時は、異常値かなという風にも思えたんですが、ちょっと光が見えてきました。

ところがその翌年、また評価のポイントが下がったんです。「醤油っぽい」と感じるオーダーが更に上がってきたんですね。

定点調査をやったおかげで、お客様が変ったのがわかったんです。だから、やっぱり諦めちゃいけないんですね。ああ、今もそれを思い出すべきですね(笑)。

醤油っぽくないぽん酢へ

藤村氏

藤村:たしかに低塩=うま味重視は大きなトレンドになっていましたから、ありえる話でした。そこで、醤油っぽくないうま味重視のぽん酢を作ろうとなったんです。「まろやかな昆布ぽん酢」をつくろう、と。

もともと「昆布だし」はヤマサのこだわりどころです。だしの旨みは化学調味料のような単一のうま味ではなく、多様なうま味成分が含まれているので深みとかこく、のびがあるんです。「昆布つゆ」のようにそのよさを活かしたかった。

こういう方向性は従来のヤマサ社内のディスカッションでは出にくいんです。もともとが醤油を作っているわけだから、醤油の味を基本にしてしまうんですね。試食も社員でやってましたから、醤油好きが評価するので、「醤油っぽくない」という製品はできにくいわけです。




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